企業・組織・管理者に対する支援
現在、企業・団体では、メンタルヘルスの問題への取り組みは殆ど必須のものとなってきています。
組織としても、人材ならぬ人財を大切にして、良い人が集まる組織にしたい、不調者が出ない組織にしたいという思いがあります。
組織における管理者の役割を担う人も、なかなか過酷な状況で過ごしています。自分の仕事もしっかり進めていかないといけない、それに加えて部下のサポートも仕事の一つです。管理者としての業務に専念できる組織もありますが、仕事ができる人のところに仕事は集まっていくものですから、仕事も管理も仕事が積みあがる、そして上からのプレッシャーもある、そんな過酷な環境で大変なところもあるでしょう。
組織としても、様々なマネージメント・システムを導入してみたり、ITを利用してコミュニケーションを活性化しようとしてみたり、コーチングやファシリテーションなどのコミュニケーション系の研修を行ったり、工夫をしています。
当研究室でも、具体的に企業に出向いての支援を行っております。
玉井は個人臨床を中心に取り組んできましたが、集団も長く扱っており、かつ組織心理学も学んでおります。
組織の味方なのか、労働者の味方なのかといったことが議論になるなる場面があるのですが、組織の支援を行うということは、働いている人と敵対するのではありません。働いている人が安心して、喜びを感じて働ける環境は、組織にとってもよい循環が進んでいるのです。
仕事は大変です、大変だけれどもそれにチャレンジするから、喜びを感じる、そんなアクティブな組織作りのお手伝いをさせて頂きます。
以下、基本的な取り組みの情報を簡潔に書いておきます。
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・産業領域での心理支援活動
・「組織分析」「組織管理」
・同一労働同一賃金についての考察
組織におけるメンタルヘルス対策
厚生労働省は、労働安全衛生法を補足するために、平成12年に「職場のメンタルヘルスに関する指針」を出し、その後平成18年には「労働者の心の健康の保持増進のための指針」と改訂しました。
それら指針の基本方針は、事業所における「心の健康づくり」計画の策定であり、その中に、セルフケア・ランケア・事業内産業保健スタッフによるケア・事業外ケアを含むものとされています。改訂では、①衛生委員会における審議の強化、②メンタルヘルス推進担当者の選任努力、③プライバシーへの配慮、④小規模事業所における実効性として外部資源の活用も記載されました。
また安衛法自体の改訂で、平成27年12月からは事業者はストレスチェックを実施することになっております。このストレスチェックは、1次予防として、労働者の健康への自覚を促すもの、と位置付けられました。このストレスチェック制度が検討された発端は、メンタル的に弱っている労働者の早期発見・早期対応(つまり2次予防)でしたが、形が変わってしまいました。
実際に、このストレスチェックを実施したのちに、その情報がうまく活用できず取り組みが宙に浮いたままで悩む組織も多いようです。職場の部署別分析を進めるところが多いのですが、結果を上司と共有したままに、具体的な方法が思い浮かばずに着手できずにいるところも少なくありません。
組織や職場には、それぞれ風土があり、伝統があります。そしてそれは変化を阻むことも多いのですが、より良くなりたいという欲求にうまく働きかけ続けることで、変化が生じていくのです。
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・基本的対策
・ラインケア
・企業内に残る家族経営体質
休職・復職制度の整備と実際
休職・復職に関する制度は、就業規則や労働協約等によって定められ、休職期間の長さ、休職期間中の賃金の取扱いなどは組織によって異なります。
厚生労働省の労働安全衛生調査によると、メンタルヘルスの問題を理由とする休職者を抱える事業所は全体の25%にも上ります(50人以上の事業所の場合)。
休職は、当該労働者が外部医療機関からの診断書を提出することをきっかけとして進みます。休職制度を運用する際にも、休職期間中の給与、情報の共有方法、必要と判断されるときには本人のみならず家族との連携など、確かめておくことは複数あります。
時間の経過とともに、ご本人の取り組みが進み状態が変化していく過程で、復職予定職場での振り返り、本人の振り返りなどを含めたリワークへの取り組みなど、復職に向けた取り組みも丁寧に進めていくことが必要です。
近年は、職場復帰の制度も多くの組織で作られている、または外部の制度を利用するところが増えてきました。厚生労働省はそのモデルを提示していますが、基本を押さえつつ、時に微妙な対応が求められる分野です。
人事労務の方たちからもその都度対応を確認するなど、ご相談をお受けしております。
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・タイプ論
コンプライアンス意識と健全な組織風土
コンプライアンス意識を高く保つことは基本的なことです。一方、その基本を徹底することがいかに難しいかは、日々配信される報道を見れば明らかです。
大企業や国・地方の自治体におけるコンプライアンス違反は第三者委員会を立ち上げて調査され、客観性的に風通しを良くして改善を目指そうという取り組みが増えています。
コンプライアンスに関する問題の多くは、そこで働く人たちには丸見えです。つまり、その事柄はその職場では問題とされていなかった(仮説1:問題に慣れてしまって、問題意識が低下してしまっている)、またはその問題を指摘することは職場で安全に働き続けることを妨げると判断されている(仮説2:無言の圧力を感じる人が多い)などが考えられます。
問題が外部の第三者から指摘されることで初めて、風が通り始めるのですが、しばしばこの風は外部からの批判の風も運びこみ、組織への変化を促しながらも組織を離れようとする人の増加も促してしまいます。この過程では、実際に問題に関わり続ける組織の人たちとの対話を進め、風通し良く話ができるように努めることが大切です。
おかしなことはおかしい、問題と思ったことを話題にできる、必要な改善を進める、という取り組みを組織として進めることが大切なのです。
実はこれは、心理臨床ではナルシシズムの問題なのです。
変化するときには、必ず反動があります。強引な変化を進めるか、柔軟な変化を進めるかは大変に悩ましい選択なのですが、できる限り所属する人、会社、そして社会や関係する顧客皆が納得する形を模索したいものです。
このような検討は、時に大変に難しくなります。玉井もメンタルヘルス・コンサルタントとして企業・団体の抱える悩みに対するご相談もお受けしております。
本当のインセンティブとは
「この組織で働くことが喜びだ」という人材をいかに多く育て、抱えられているかは、企業・組織の将来を考える時、大切なことです。
あえてネガティブな言い方をすると、よい人材の離職は何としても防ぎたいのです。近年は、派遣社員を増やすことで正規の職員が担ってきた業務を進めてもらう、という側面も増えています。大変に能力のある派遣社員の存在に助けられることもありますが、業種によっては責任をお願いしきれないことも多く、組織の中でプロパーの職員を計画的に育成していく、ということも変化してきています。
マズローは欲求段階説を示し、人がどのような欲求を求めるのかを整理しました。
ハーツバーグは2段階欲求理論を見出し、職場において改善することで仕事へのモチベーションが上がるもの、改善することが当然であって特に仕事へのモチベーションにはつながらないもの、を整理しました。
給与もしばしば仕事に対するインセンティブ(内的欲求)とされますが、高ければモチベーションが上がるものでもない、ということは昔から指摘されていることであり、心理学的にも確認されています。
職場での居心地を良くするための取り組みもありますが、そこには同時に居心地をよくすることにエネルギーを費やすことのメリットとデメリットがあります。
良い人間関係を増やすためにどのような工夫が実行されており、そのことを所属員たちが意識して取り組めているのか、どのような取り組みにも様々な側面があり、完全な取り組みはありません。
職場風土によりそれらの選択肢も変化しますが、工夫の輪を広げるお手伝いをさせていただきます。
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・集中力と時間管理
・職場の居心地と個の確立
働き方改革
近年は、多様な働き方、勤務時間管理、テレワークなど、女性の登用、高齢者の定年延長など、高度成長を進めた昭和時代の働き方からの大きな変換が進められています。一億総活躍社会ともいわれますが、「働く」ことの目的、意識を問うことが大切だと思われます。
新型コロナウィルスによる非常事態宣言の後に、働き方は大きく変化しており、新しい社会制度の模索が始まっているようでもあります。
「働く」ことが「苦役」と感じられているとき、労働の生産性は向上しません。個人の性格や価値観は様々であり、「こうすればよい」という誰にでも通用する処方箋があるわけではありませんが、意味がある、そして自分にできることがある、と感じられていることは、人を動かすものです。
個人の欲求を満たすことが仕事の生産性を高める、そんな直線的な関係は研究では既に否定されている部分もありますが、多様な人が関わり続けられるための職場を作っていく、そんな姿勢を維持することは大切なことかと思われます。
様々な価値観を理解しあう、そのための対話を促進する、そんなお手伝いを行ってきましたし、今後も同様の取り組みの輪を広げていければと考えています。
ポストコロナの対策 テレワークなど
2020年は、COVID-19に始まり、社会環境、仕事の環境が大きく変化しており、かつ経済活動についても未知数な部分が増え、不安が高まっています。
オリンピック2020のために、テレワークの導入を想定していた大企業はテレワークを前倒し実施し、中小企業でも強引にテレワークを進めたところも多くありました。
一方、仕事の環境を変えられないところもあり、それが不安を読んだり、働いている人たちとの関係を変えてしまったという報告もあります。
多様性、ダイバーシティという言葉は男女雇用機会均等法の改訂以来、耳にすることが増えましたが、まさに強制的な社会実験が行われているかのような状況となったのです。
その中で、組織としてどのように生き残るか、必死に考えているところは多いでしょう。今こそ、丁寧な取り組みが必要となります。そこに、人の感情も強く影響しているのです。
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・非常時の対策
・組織への所属感の変化
・いたわり合うラインケア
・テレワークQ&Aの特集投稿(税務弘報寄稿抜粋)
当研究室の取組み
当研究室の玉井は、官公庁・地方自治体、企業、様々な法人などに直接にうかがい、話し合い、そこで働く人たちと協力して支援を行ってきました。
人事労務担当、研修担当、職場の管理職の人たち、職場で働いている皆さんとのグループ、一人一人との面談、そんな話し合いの中で冷や汗をかいたり、熱く話し合ったりする取り組みは、本当に充実したものです。
そこでは、組織の中の一人一人が動くことで大きく組織が動いていく、そんな力動が働くのです。
組織としての取り組みへの支援やアドバイス、研修という形での支援、組織に所属して働いている人たちへの支援など、さまざまな階層でのサポートの形があります。
関心がある場合には、以下の「お問い合わせ・お申込み」フォームよりお問い合わせください。うまくフォームに進めない場合には、メール(info@tamai-psychology.com)までご用件をお送りください。
集団研修・組織の職員個人への支援について、以下のページをご覧ください。