産業心理

産業心理 組織における基本的対策

ビジネス街

平成18年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」がそれまでの指針、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」(平成12年8月)に代わって示されました。

 基本的には、最初の指針で示された 「心の健康づくり計画」 の策定と「4つのケア」を拡充するということであるが、今回はその4つのケアについて書いてみたい。いきなり、硬い言葉を並べて始まりました。こういう文章は、あまり読みたくなくなるのかな、と心配ですが…。

 4つのケア、それはセルフケア、ラインケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外支援によるケア のことです。

 セルフケアとは、自分のケアは自分でしましょう、ということです。そりゃそうですよね。人は動いて疲れ、寝て休んで回復するのです。ちゃんと休むこと、気分転換をすることは人に言われるまでもなく、ずっと行っていくことです。

 ただ、身体のケア、こころのケア、自分の魂のケア、「こうすべきだ」などとルール支配行動に囚われるところに対するケア、これは簡単ではありません。気がつかない人も多い。特に、過去の問題を解決しきれていない人ほど、自分のことを振り返ることが分かりにくい、極端な話、疲れすら感じられない人がいる。

 セルフケア、それは心と体のバランスよい栄養を蓄える取り組みです。一歩一歩進むものです。あなたにとってのセルフケア、どのようなものか、改めて考えてみてください。

 あれ、今日はセルフケアの話で終わってしまいました。また続けます。

働く人、働く組織を支援する

精神分析を創始したフロイトをご存知でしょうか。

彼は、人がよくなすべきことは「愛することと働くこと」と述べています。

近年、その働く人への支援は、従業員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)の広がりもあり、少しずつ手厚い体制が整えられてきています。またその取り組みは、働く職場に対してどのように働きかけるかという形に広がりを見せてもいます。

実際には人と人の関わり合いのことですから、お互いに大切に向き合えるか、ということに尽きるのですが、それを職場で実践することはなかなか簡単ではありません。家族とは違い、適度な対人距離がある社会のほうが争いは少なそうですが、様々な利害も絡み難しくなりますし、人によってその距離感が違います。個人の価値観やそれを形作る土台となった体験を丁寧にたどり、お互いに腹を割って話しあう時間を取りたくても、業績やノルマのために早く動かなければならない、そんな現実にも追われます。

フロイト自身も対人関係に深く悩み、組織を作りながらも弟子に去られたり国を去らなければならなかったりしました。沢山の悩みがどのように乗り越えられてきているのか、積み上げられてきています。玉井心理研究室でも、その長く産業心理と臨床心理に蓄積された知見で、働く人と働く組織を支援します。

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