セルフケアの促進
自分の心は、自分で守ります。それをセルフケアと呼びます。子供は擁護される存在ですが、社会の中で大人は自分で自分の状態を理解し、自分のケアをできる存在とみなされます。
個人の持つそれぞれの背景は、セルフケアの取り組みに大きく影響します。自分の状態への気づきが特定の領域に偏ってしまう人、全体に鈍い人、過敏な人など様々です。
日常で行っているセルフケアにどのようなものがあるのか、確認してみてください。仕事中、仕事を離れて行っていることを10個、探してみたいですね。
趣味に取り組むこと、友達と遊ぶこと、美味しいものを食べること、お酒を楽しむこと、ゆっくり寝ること、子供と遊ぶこと、旅行を楽しみにしている、といったこともあれば、仕事中にもちょっとした雑談、気分転換に体を動かしたり、大きなことも細かいことも、様々見つけられるとよいですね。
自分の気持ちを和らげる力は、使えば使うほどうまくなっていくのです。
そして、自分の心がストレスで揺さぶられても、その揺れを落ちつかせることができる、そのように自分の心が回復に向けて進んでいくプロセスを丁寧に感じることで、得られることが多いのです。
自己理解・他者理解
自分の状態を理解することがうまくなると、自分の行動や考え方の傾向性について深く理解できるようになります。
深い悩みを体験した人が、心理学に関心を持ち勉強にやってくることもよくあるのですが、学びを通して自分の考え方や行動のクセを発見していく人たち、つまり自己理解を深めていく方もたくさんおられます。
自己理解はうまく拡げていくと、自分の中に留まらず他者への理解へと進み、共感に繋がり対人関係もスムーズになります。自己理解は、他者理解に先立つのです。
人のことに対して敏感な人もいますが、その敏感さが過敏になって苦しくなっている人もいます。自分自身と上手に付き合っていく方法を学ぶことで、他者とのコミュニケーションのスキルが向上するのです。
完璧な人はいません。もちろん、全ての人を好きになることも難しいので、苦手だったり嫌いな人がいても仕方のないことです。嫌いな食べ物があってもいいのと同様です。嫌いなものをさりげなく避け、うまくつき合うのが多くの大人の姿なのですが、嫌いな存在もまた時には、刺激としてよい働きをしてくれるものです。
カウンセリング
職場にカウンセラーが常勤としている、というところは少ないかもしれませんが、ちょっと大きな組織では定期的にカウンセラーが来ている、というところは増えてきているでしょう。カウンセリングがどのように周知され、理解されているかというと、組織の取組みによって本当に様々です。
意識的な取り組みが未だあまり行われていない組織の中では、「カウンセリングは、病気の人が来るところだから、私には関係ない。」「カウンセリングに行くっていうと、心配されるから行かないようにしたい。」という声を聞くこともあります。
カウンセラーは心、感情の整理の専門家です。法律のことで困ったら法律家に、お金の運用についてヒントを求めるのはファイナンシャルプランナーや銀行員などお金のことに詳しい人に相談したり、情報をもらいます。
心のことや感情の調整のこと、対人関係のことで困ったときも同様に、「専門家はどんな発想を持っているのかな、何か役立つ情報があるか聞いてみよう」と考えて気軽に利用してください、と伝えていただけるとよいでしょう。
カウンセリングを利用した人は、その後もカウンセリングをうまく活用してくれます。早めに、気軽に、自己チェックのつもりで利用していただける雰囲気を作っていきたいですね。実際の事例に基づいた工夫も共有させていただきます。
当研究室の取組み
働いておられる方たちへの支援は、基本的には、「カウンセリング/心理療法」による支援と重なります。当研究室代表の玉井は、組織で働く人への支援も行っておりますので、是非、お問い合わせください。
組織に出向いての相談支援、またはその他の形態での継続的な相談実施についても、お問い合わせ下さい。
お問い合わせ・お申込団体・集団での料金は個別にご相談ください。
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