私の関わっているNPO団体において、心理カウンセラーの応募の面接を担当する機会がありました。常々思うことですが、相手の話を聴くことの難しさ、ひしひしを感じました。
頭が良く、勉強を重ねていても、話を聴くことは別のことのようです。頭だけではなく、心にも身体にも耳があるのです。
昨日のスタッフの書いたブログで、どうやって傷ついた心が癒されていくのだろう、といったことが疑問として提示されていました。
本当に相手の心が開き、こちらの心も開き、素直に何のわだかまりもとらわれもなく対話ができるとき、心の変化が進んでいくのでしょう。
そんなシンプルそうなことの、いかに難しいことか…。
私の日常でも、ほんの些細なことで、家族に心を開きたいのに開けなくて困ることがあります。困っているのに困っていない、そんな主張も情けないのですが…。
様々な技法は、脳や人間の機能に沿って沢山開発されていますし、それらを学ぶことや活用できるように訓練を受けていくことも大切です。私も、そういった勉強やトレーニングを受け続けてきています。
ただ時折、「ただ聴くだけのことができないから、いろんな技を使うしかないのよ」と言ってしまう時があります。私の催眠の先生で、このただ聴くだけの技術の凄さを目の当たりにさせられたことがありますが、それはまたの機会にしましょう。
傷ついた体験を持つ方の、その体験にまつわること、それから自分に対して思うようになったこと、生きていくことの希望や失望、人によって感じたり考え方が違うのですが、そんな一つ一つを聴いていく、そんなことのできる対話を重ねていきたいと思います。