感情

爆発的な怒り,静かな怒り

怒りが止められない

 心理カウンセリングを長く行ってきた中で,「怒り」の扱いに困っている人には本当によく出会います。
 我慢しろ,って言っても本当に「できるならもうできてる!」そりゃそうです。我慢したくてもできない,我慢できる気がしない,実際に我慢するという感覚もわからない,自分のことをコントロールできない,それは本当に苦しいことです。
 怒ってしまう自分を嫌ったり,恥じたりすることも多々あるでしょう。

 相談の中での訴えで,家族に対して感情調整不全や衝動,つまり感情の適切な調整がうまくできずに,感情を爆発させてしまったり,人と極端に距離を置いてしまったりなど,激しい感情に突き動かされている人たちとお会いすることが多いですね。
 外でも感情がこぼれ出てしまうという人もいて,それは社会的な制裁を受けてしまったりと,日常生活を送るうえでも苦労が絶えません。

怒りを表わす言葉

 今回は,怒りということで書いてみたいと思います。

 怒りは,いろんな言葉で表現されていますね。
 激怒(げきど)/激昂(げきこう)/憤怒(ふんぬ) といった激しい怒りの感情から,立腹/激憤/憤激/痛憤/忿怒/赫怒/瞋怒/瞋恚/震怒/激高/積怒/小忿/積憤/発憤/暴発/号怒/叫怒/御冠/逆鱗/怒髪/苛立ち

 多分,きりがないほどある気がします。

 怒りに関する4字熟語も調べてみると…色々出てきます。これもきっともっとたくさんあるはず…。

・一朝之忿(いっちょうのいかり) 一時の怒り。
・喑噁叱咤( いんおしった) 怒って大声で怒鳴ること。
・隠忍自重(いんにんじちょう) 怒りたい気持ちなどをじっと我慢して、軽々しい言動を慎むこと。
・横眉怒目(おうびどもく) 横眉は凶悪な眉、怒目は怒った目つきの意で、怒った顔つきのこと。
・慷慨憤激(こうがいふんげき) 世の中の不正や自分の不運などに激しく憤り嘆くこと。
・咬牙切歯(こうがせっし) 歯を強く食いしばったり歯ぎしりすること。転じて、恨みや憎しみが強いこと。激しく怒ること。
・叱咤怒号(しったどごう) 大声で叱りつけること。また、その声のこと。
・修羅苦羅(しゅらくら) 古代インドの神、阿修羅のように激しく恨み怒るさま。
・眥裂髪指(しれつはっし) まなじりが裂け、髪の毛が逆立つほどの怒り。
・人主逆鱗(じんしゅげきりん) 君主や権力者の怒りを買うこと。
・切歯扼腕(せっしやくわん) 激しく憤り悔しがること。
・大喝一声(だいかついっせい) 大声でどなりつけたり、叱りつけたりすること。また、その声のこと。
・張眉怒目(ちょうびどもく) 眉をつりあげ、目を怒らせた形相をいう。
・頭髪上指(とうはつじょうし) 激しい怒りで髪の毛が逆立っているさま。
・怒髪衝天(どはつしょうてん) 激しい怒りで髪の毛が逆立っているさま。
・忍気呑声(にんきどんせい) 怒りなどの感情をこらえて、声には出さないこと。
・反抗憤怒(はんこうふんね) 相手に逆らい憤り怒ること。
・悲歌慷慨(ひかこうがい) 悲壮に歌い世を憤り嘆くこと。
・悲憤慷慨(ひふんこうがい) 社会の不正や自らの運命などに憤りを覚え、嘆き悲しむこと。
・偏袒扼腕(へんたんやくわん) 激しく怒ったり悔しがったりするさま。
・柳眉倒豎(りゅうびとうじゅ) 女性が怒って眉を逆立てるさま。
 類義語:横眉怒目(おうびどもく)、張眉怒目(ちょうびどもく)

赫く激しい怒り・青く静かな怒り

 怒りには,色がありますね。
 暴力的な,またはすごく強い圧を周りにまき散らす怒り,時には物理的破壊なども含めてわかりやすく侵入的な怒りがあります。
 相手を殴る,相手に何かを投げつける,相手を投げ飛ばす,怒鳴りつける,明らかに無視をする,物にあたって相手をビビらせる,相手を脅す,いろいろありますね。家族に対してやってしまっていて,取り組みが進むにつれてちゃんとコントロールできるようになった,という人も多くいます。
 怒りっぽいのは性格だから,どうしようもない,と思っている人もいるけれども,その正確に振り回されなくなることは,じっくりとした取り組みを通してできるようになるのです。

 相手を追い詰めていくようにとことん計画的に動かしていくような,静かな怒りもあります。怒りという感情自体は,別に問題でも何でもないのですが,強い怒りは判断を狂わせ,長期的な利益を損ないます。

 怒りという感情に気が付く練習,怒りが自分に役に立っている感覚,怒りが通り過ぎていく感覚,怒りに囚われない感覚,怒りをやり過ごす練習,そして怒りに負けないという感覚を高めていきたいですね。

 また,怒りについて書いてみたいと思います。

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右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

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