心理雑感

富士総合火力演習の見学に参加して① 陸上自衛隊

 今年の夏、初めて富士山のふもとで行われる陸上自衛隊の富士総合火力演習を見学する機会があった。

 週末の夜2時出発、都内のコンビニで仲間と落ち合い、高速道路で御殿場インターに向かった。ゆっくりと途中で休憩もしながら、5時前にはインターを出て、5時頃には駐車場に到着。かなり早いんじゃないかなと思っていたら、車の行列が目に入る。最後尾に車を止め、前に歩いていっても先が長いので途中で引き返す。ナンバーも全国から…すごい。ミニバンなど、恒例イベントに参加しているような人たちも少なくない。皆で朝食を取りながら、少しずつ明るくなり、隊員の方たちが動き出しているのを見守る。鶏舎や林、自然が一杯だ。

 駐車場の開場は朝6時となっていたが、5時半ごろには対応を始めてくれている。駐車場から会場に向けたバスも、予定より早く動き始めてくれている。細い道で、tiktokで投稿しても良いのではないか、という気持ちになる。感謝。

 皆揃ってバスで会場に向かう。山に向かって進み、演習地帯に入り見学会場を通り過ぎ、名残り惜しくバスの停留場。そこからまた歩みが始まる。仲間の一人は足が悪く、かなり苦労して汗だくになって丘を登っていた。6時半から席への案内が始まるのだが、そのタイミングで戦車の試射?が始まり、ビビりまくる。音の激しさに鼓膜は震え、その衝撃に体が震える、絶対に慣れることはないであろうと確信しながら耐える。

 席を確保し、試射の刺激に耐えながら、お土産を見に行ったり、時間を過ごす。まだまだ席が空いていると思うが、10時の演習開始のタイミングでは、隙間が全くなかった。一番上の席に座ったが、きっと皆徹夜で車を走らせて来た人たちであろう。

 演習前は、配られている新聞と戦車などを見比べながら、「あれは何だ」と確認しながら見続ける。9時過ぎて、自衛隊音楽隊、そしてビデオ公開と飽きさせず、うとうとしながら待つとすぐに10時の開始。この演習は、自衛隊の富士教育隊の教育活動の一環であったり、全国にある駐屯地の訓練の一部でもあるらしい。多分、教育期間中の自衛隊員も見守っている。席には全く隙間なく人が座っている。

 10時の演習が始まると、今目の前に出てきた戦車、車両は何か、そしてどこに向かって打つのか、その難しさの解説などかなり丁寧に説明してくれたので、よくわかる。感謝。1/100秒の差でずれてしまうらしいタイミングを間違わずに実現させる。様々な状況を想定した防衛行動の徹底、見事としか言いようがない。キビキビした隊員たちの動き、それはすごい。この音と衝撃を身近に感じていて、キビキビできない人はいないのではないだろうか。

 途中、霧がかなり濃くなり、全体的に見えにくくなる。航空機からの爆撃もあったが、「今、〇〇が発射」「着弾」「今、雲の中を〇〇が通過しています」これにはかなり笑った。しかし、見えないにもかかわらず、的確に目的地に着弾できること、これは今の時代ではどのような軍隊でも当然かもしれないが、目の前にすると衝撃であった。

 後半は、島嶼防衛構想に基づいた演習であったが、途中はビデオ放送も多く中だるみかと思いきや、その構想を実現するために自衛隊員の一人一人が走り回り、泥の中に寝転がってライフルを構えている姿、感銘した。最後には戦車も装甲車も、ヘリコプターも、雲の中の航空機も、沢山集まり、すごい迫力。

 一緒に行った子供たちは疲れ、その後の自衛隊員との交流は遠慮して、帰途につきました。暑すぎもせず、寒すぎもせず、雨も降らず、少し霧はかかったものの、過ごしやすく演習見学ができ、ありがたかったです。帰りのバスに向かう列が、一番熱く、そこで初めて熱中症と思われるひとがダウンしていて、自衛隊員が駆けつけていました。その動き、やはり的確かつ厳格でお見事。

 帰りも自衛隊員の方の丁寧な誘導、その規律ある態度に感銘しつつ、少し疲れた帰途に就きました。有難うございました。明日も続きます。

働く人、働く組織を支援する

精神分析を創始したフロイトをご存知でしょうか。

彼は、人がよくなすべきことは「愛することと働くこと」と述べています。

近年、その働く人への支援は、従業員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)の広がりもあり、少しずつ手厚い体制が整えられてきています。またその取り組みは、働く職場に対してどのように働きかけるかという形に広がりを見せてもいます。

実際には人と人の関わり合いのことですから、お互いに大切に向き合えるか、ということに尽きるのですが、それを職場で実践することはなかなか簡単ではありません。家族とは違い、適度な対人距離がある社会のほうが争いは少なそうですが、様々な利害も絡み難しくなりますし、人によってその距離感が違います。個人の価値観やそれを形作る土台となった体験を丁寧にたどり、お互いに腹を割って話しあう時間を取りたくても、業績やノルマのために早く動かなければならない、そんな現実にも追われます。

フロイト自身も対人関係に深く悩み、組織を作りながらも弟子に去られたり国を去らなければならなかったりしました。沢山の悩みがどのように乗り越えられてきているのか、積み上げられてきています。玉井心理研究室でも、その長く産業心理と臨床心理に蓄積された知見で、働く人と働く組織を支援します。

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