イメージや夢
このところ,イメージやら夢の扱いについて,勉強と実践と重ねています。
実際の相談の中でも,より支援が繊細に届けられる気がします…。
私,玉井心理研究室代表の玉井は,認知行動療法を専門の一つとして研鑽してきたが,過去には家族療法,精神分析などにかなり興味を持って学んでいました。
ご縁があって,認知行動療法を自分の柱の一つとすることになったのですが,これは,様々な問題や直面している苦しみに対して,考え方を扱うアプローチ,行動を扱うアプローチ,対人関係を扱うスキルとアプローチなど,現実に足元を置いて,取り組みを進めるものであり,対応のパッケージとなったようなものでもあります。
近年は,認知行動療法の様々な技法の中でも,イメージ書き直し(Imagery Rescripting)というアプローチが注目されつつあります。その治療機序は様々なことが指摘されており,定まっていないのですが,日本では,その研究はまだまだ少ないのですが,今後はますます広がっていくでしょう。
認知行動療法では,現実的な問題や困っていることへの具体的な視点や行動の選択肢を広げていく中で,自分にフィットするものを身に着けていく,というスタイルをとることが多いのですが,現実的な問題や困っていることの奥深く,自分の存在とは…!といったことに繋がっている際に,その奥深い自己感に触っていく方法として,昔から心理臨床が扱ってきたイメージを使っていくのです。
イメージや夢が示すもの
イメージとは,何かを頭の中で思い描くことはできるでしょう。それ自体もイメージですね,実体のないものですが,自分には影響力がありますね。良いイメージは,よい気持ちをもたらすでしょうし,怖いイメージは,字の通りに怖い気持ちに私たちを連れていくでしょう。
そして,それらのイメージは,自分の思い通りに動いてくれるわけではありません。特に,深く自分の内面とつながっているイメージは,直接にそのイメージと関係するかどうかは別にしても,対人関係を持つ中で変化していくことが多いのです。
心理臨床などでは,故河合隼雄先生などは,人との出会いでイメージが動き始める,と述べておられます。
つまり,ここで私が言っているイメージは,想像したイメージから,その後には自律的に動くようになったイメージのことを言っているのです。
イメージとどのように関わるか,その態度は関係性の構築とも重なっており,とても重要なポイントになります。
心理療法では,相談にいらっしゃったクライエントさんにフィットするように,そのイメージとの付き合い方を探し,練習していくのです。
予想外の体験
イメージと関わっていく体験の中では,予想外の出来事に沢山出会います。思い通りにイメージを操作しようと思っても,ずっとそのイメージを操作しきれるものでもありません。
しばしば,「そんなことを考えているとは思わなかった」などといった感想が聞かれます。
そして,それらのイメージや夢は,私たちに一定の方向を示してくれているように思います。まるで,昔からの決まりごとのように…。もちろん,具体的な内容は人によって異なるのですが…。
ただ,その方向を見出すのが,わかりにくいのですよね。それ故に,私たち心理臨床家は現実問題への対処に引き続き,その奥深い世界の道案内人として働くこともあるのです。
自分が進む方向を導いてくれるように感じられる,自分の中にある力を感じられるようになっていく,そんな自分自身との付き合い方を探っていく,一つの不思議でかつ楽しい世界への道は誰にも開かれています。
毎晩,夢を見ているようにね…(笑)。
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