心理雑感

陸前高田に通う 12年目の話

東日本大震災後

 今年,2023年で東日本大震災より12年。

 ご縁があって,陸前高田に通い続けている。
 基本は,心理支援という枠組み。

 今年も,いろいろな話を聴かせていただいた。

 以下は,そのようなお話から一部抜粋など。

生かされている

ある年配の女性から聞かせていただいたお話し。

気が付いたら、震災を超えて,年を取ってきた。でもまだ50代なんだけどね。

不思議なことに,若い頃は反発していたような,90過ぎのお年寄りの言うことが身に染みるようになってきた。
「自分が悪くても,謝っておけ。関係がよくなるから」

>なるほど。

仕事でも、人の話を聞くことが増えてきた。いろんな悩みがあって,何か良いことを言ってあげられるでもないけれども、ひたすら聴いているだけしかできない。

仕事の内容も変わってきているけど,仕事はできるだけメリハリをつけてできるだけ定時に上がるようにしている。

実は,震災半年前にこの地域で働き始めた。もともと,この地域の出身。そのあと、震災で被災。震災で大きな被害を受けた地域に住んでいた。友達も家もなくした。

その後、子どもが生まれた。今、小学生。「人のことを想う」、これを大切にしている。子供らにもそれを伝えたいと思って,いつも繰り返し話している。子供らは,好きなことをしているけど,自分がしなければならないことは必ずやる。対人的なことは,相手のことを想ってやれと。

もう1つ、楽しむこと。これも大切。

楽しんでいることは,死んだ人たちへの供養。楽しく丁寧に生きる。雑に生きてはいけない。

生きること

仕事と家庭、そんな両輪を大事に生きている。

命がけで働くこともあるけど,多くの仕事との関係では,仕事は仕事,プライベートは別,というスタンス。自分の分に見合った形で、バランスよく、頑張りすぎず、力を抜いて生きていきたいと考えている。

もっと頑張れとか、だめだとか、極端にならなくてよい。

でも,そのバランスが難しい。
普通のことって難しい。
生きているって普通のこと。そのことを続けていきたい。

そうして健康に死んでいきたい。

幸せを感じていきたい。

そのように,丁寧に生きている話の一部,一般化して共有させていただきました。

コロナ対策を行っている心理相談室 玉井心理研究室

 玉井心理研究室では,認知行動療法イメージワークを用いて,トラウマから精神疾患,対人関係など広く心理療法を提供しております
 また,個人のみならず,組織における人事・メンタルヘルスコンサルタントとしてもお手伝いをしております。

 コロナ後に拡がったオンラインによる相談ですが,今後も継続する予定です。