安全でなくてもできることがある
前回は、下位の欲求である安全の欲求について、書きました。
ただ、下位の欲求が満たされないと、高次の欲求を満たすことができない、というわけではないのです。
下位の欲求にばかり目が行くと、そこに停滞して先に進みにくくなってしまいます。
例えば、体が限界に近づいても、自らを磨こうと研鑽する人たちがいます。危険な冒険にチャレンジして、応援している人たちに生きている実感を届ける人もいます。
高次の欲求に目を向ける
現在のように、安全の欲求が脅かされている感じが強いときでも、それ以外のことにも目を向けることは大切です。
一つのつながりを感じる社会的欲求、承認を求める承認欲求、自分の可能性を広げていこうとする自己実現欲求など、高次の欲求に目を向けるのです。
医療職の人たちを応援しようとする動きも、所属感や承認につながります。
自分の開発したアプリなどを活かして、一次産業を応援しようといった取り組みも、自己実現につながるのでしょう。
目標を持つ、示す
自分の能力があることを活かしたり、つながりを丁寧に確認して育てたり、目標を見つけて先に進もうと一歩一歩進めていくこと、そんなことが次の時代を明るくするのです。
日本の指導者たちは、「現在の危機を乗り越えるために力を合わせよう」ということは多く言っている気がしますが、「このような国にしていこう」といった目標を示すことが少ないように感じています。
もっとも現在の日本で、阿部首相がそんなことを言ったら、朝日新聞をはじめとするマスコミや野党が反発しまくるでしょうから、言いたくても言えないのかもしれませんし、被害感をあおるマスコミに主導される世論ばかりを気にするようになってしまっているのかもしれませんし、あまりにも先が不確かすぎて、言いようがないのかもしれません。
目標を持つことは大切です。
目標がかなうかどうかではなく、向かうところがあることが、私たちの励みになるのです。
人から与えられる目標もあるでしょうし、自ら見出す目標もあるでしょう。
自分が納得して動くのであれば、いろんなきっかけがあるのですから、どっちでもいいのです。
いろんな考えや情報に触れて、考え、今の自分を見て、自分が生きている中で実現したいことを確かめて、目標を定めてみるとよいのです。
そしてときに振り返り、目標を修正していってもいいですね。
私も、日々の実践と合わせて、臨床心理の論文を書いています。今、新しく2本の論文構想も進めています。
こんな状況でも、自分のできることを着実に進めている人たちがたくさんいます。
私ができることは少しなのですが、人の心が楽になっていくプロセスを解明し、その方法を精緻化していく、そんな取り組みを通して、多くの人の支援に役立つように勧めたいと思います。
それでも、途中はしばしば心が折れそうになるので、いろんな人に相談して、勇気をもらっています。
丁寧に進めていきましょう。
コロナ不安、今後についての不安などでも、相談をお受けしています。
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