マインドフルネスと心理療法の統合のはしり
マインドフルネス認知療法、聞いたことあるでしょうか。
知り合いの専門家からも、認知行動療法とマインドフルネスって、合わさりにくいでしょう、ということを言われることがありますが、実はかなり親和性が高いのです。
マインドフルネスについては、少し前のブログでもいくつか書いているので、その説明は簡単にしか行いませんが、今現在の自分の在り方について、ただ感じつつ観察し続ける、そんな視点を作ることで思考や感情・感覚、それ等に促される行動に囚われない状態を意味しており、そんな状態になれる自分を作る訓練でもあります。
このマインドフルネスという発想は、もともとは西洋医学における疼痛治療へのアプローチ研究から始まっていますが、その精神的アプローチの側面も強く、精神疾患に対するアプローチにも応用できないかと様々な研究者たち考え、トライし始めました。
マインドフルネス認知療法
実際に、『マインドフルネス認知療法』という本は、日本では北大路書房から2007年に出版されています。日本の認知療法の学会である日本認知療法・認知行動療法学会においても、2007年前後には、発表の多くがマインドフルネスに触れている、というようなマインドフルネスブームのような感を呈していました。
認知行動療法では、クライエントさんに自分を観察できるために身に着けてもらうその基本的なスキルとして、セルフ・モニタリングを教えていきます。この観察をする、という姿勢とマインドフルネスの観察に共通点が濃いので、マインドフルネス瞑想やヨガを取り入れて、観察するスキルを高めて、様々な問題状況での自分を見つめる目を育てていこう、という発想になっていったのです。
実際に、精神分析的アプローチでは、観察自我を育む、ということが言われたりするなど、この自らを観察をする、というスキルを高めるというのは、大脳皮質が大きく発達した人間にとって、状況における調整能力を高めるための一つの有力なアプローチなのです。
続けること
2012年に、日本にマインドフルネス研究を始めたカバット=ジンが来日して、ワークショップを行ったとき、私も楽しく参加しましたが、マインドフルネス認知療法を研究していたティーズデイルらと話すが、この数年、随分とマインドフルネス認知療法が良くなってきている。なぜならば、彼ら自身のマインドフルネスの取り組みの継続のおかげで、視点も関わり方も深まるように変化してきているからだ、というようなことを述べておられました。
一瞬のひらめきなどの煌めきも素晴らしいものですが、継続する中で見えてくるもの、感じられるしっかりした味わい深さもありますよね。
無理なく、続けてみることです。実際に、生き物は死ぬまで生き続けているのですから、頑張って続けるなんて考えず、自然に続けていることを意識するだけなのです。
今夜は、繰り返しの宣伝ですが、当研究室主宰の「インナーチャイルド・ミニワークショップ」です。関心がある方、当日参加でもOKです。
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