厄介に感じる感情
この感情を体験すると、うまく自分のコントロールができなくなる。
そんな感情があるかと思います。
怒り、不安、罪悪感、抑うつ、悲しみ、そのほか…。
感情は、必ず通り過ぎるものです。
思い出す度に改めて湧き上がってくる感情というものもありますが、その感情にしても、その事柄を考えないようにする方法の実践で、ある程度調整できるということでもあります。
感情の強さ・頻度・継続性
感情を理解する際に、その強さ、頻度、継続性の3つを把握することは有益です。
強さは、全く感じないという0点から最大値である10点まで、という形で考えるとイメージがわくと思います。
頻度は、日常の中で何回ほどその感情を体験しているか、という回数のことです。
継続性とは、その感情が出てきた後に、どれぐらいの時間でその感情が収まっていくのか、時間的な経過のことです。
多くの場合、出てくると厄介だと感じる感情は、強すぎてその感情が出てくると感情調整ができないほど暴走してしまう、余りにもその感情がしょっちゅう出てきて振り回されている感じがしてしまう、その感情が出てくると疲弊しても通り過ぎず、その感情に入るともうずっと出られないのではないかと感じ、実際に長くとらわれている、といったものだと思われます。
感情を客観的に観察する
厄介に感じる感情を客観的に観察してみることです。
ずっと続いている、という感情ですら、必ず波があります。うつ病の人の抑うつ気分も日内変動があるように、変化しています。
「ずっとこの感情で苦しんできている」という大きくまとめた視点が、実際の感情の変化を見落とします。
天候なども、ずっと同じ天候が続くわけではありません。
一日の中での変化、季節の変化、年単位の変化、長い地球の歴史という本当に長い時間という期間における変化、変化しないものはありません。
苦しくなればなるほど、視野は狭まり、時間単位は短くなります。そして、一瞬を永遠に感じ、永続するように考えます。
ちょっと、いつもと違うことに触れてみる、普段とは違う行動をしてみる、試してみてはいかがでしょうか。
様々な感情が、波のように引いたり押し寄せたり、時には大波になってきたり、その準備のように大きく引いていたり、いろいろとその都度気配を匂わせながら心に訪れたり、離れていくことに気が付けるようになると思います。
感情はエネルギーを持つ
そして、感情は私たちに行動をさせるエネルギーを持っています。私たちに様々な感じ方をさせることで、適した行動に私たちを仕向けるのです。エネルギーが適切に使われると、その感情は役割を終えて去っていきます。
エネルギーを抑え込んだりすると、エネルギーがちゃんと消化されていないので、後になって感情のエネルギーが暴れることがあります。
感情をなくす、それは行動する力を失う、ロボットになることです。
感情を感じ、行動する、そして心を訪れる感情とうまく付き合えるようになりたいものです。
このブログでも、過去にも感情についていろいろ書いていますが、玉井心理研究室のホームページでも、感情制御についての話を書いています。是非ご覧ください。