ネガティブに感じやすい感情たち
この新著,『7つの感情』(玉井仁著 モラロジー道徳教育財団出版部)では,怒り,不安,寂しさ,悲しみ,恐怖,抑うつ,罪悪感,といった私たちが体験することで戸惑い,ときに適切な対応ができなくなる感情を理解し,それらとうまく付き合う方法を示しています。
確かに,知るだけではその対応が身につくわけではありません。
その前に,その感情が存在することの意味を考え,厄介に見えるその感情の大切な側面を理解することは,その感情と付き合っていく最初のステップになります。
それら感情を嫌なものだと排除すべきものだと捉えないことは,避けることのできないそれらとの付き合いを開いてくれます。
結果として,それら感情とうまく付き合っていけるようになることに繋がります。
感情によっては,時間をかけて繰り返し練習していくこと,振り返っては再度調整をしていくことも必要になります。
嫌だと感じているものを好きだとまでは思えなくても,その働きを知ることで,「ま,それなりに大切なものではあるんだよね」という感じで付き合えるとよいですね。
読んで頂きたい方たち
この本は,一般の方向けの本ではあります。
感情で悩むことがある方々,つまり
・特定の感情が出てくると混乱して後で後悔するような状況に陥る
・不適切な感情を感じてしまう
・感情に耐えられない
・感情なんてなくなったほうがよい
・感情によって対人関係の問題や,仕事などにも影響が出てしまっている
・どうしてよいのかわからない
など,感情は人が悩むところにいつも顔を出しています。
実は,感情がないと,私たちは物事の判断もできないのです。
これが良い,悪いと判断するときにも感情は助けになっているのです。
心理教育の基本情報として 専門家の方々へ
悩んでいる人たちを支援している人たちにも,この本は役立ってくれると思います。
感情の働き,そしてその対応についてよく理解し,支援を求めている人にうまく伝えられるための基本的な情報にもなると思います。
心理教育,これは人の一般的な心,行動などの動きについて理解してもらうためのガイドです。
それを受けて,支援を求める人が自分の進む方向も見出せるのです。
是非,支援を求めている方,支援を提供している方,更には自己理解や他者理解を深めたい多くの方に手に取っていただき,コメントなども寄せて頂ければと思います。
コロナ対策を行っている心理相談室 玉井心理研究室
玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
現在は、コロナ対策としてZoomやスカイプ、電話による相談も強化しております。