昨日,2021年3月7日に,予定通り玉井心理研究室で開催しているオープン・カウンセリングを行いました。
少人数でしたが,新しい方も入られ,いろいろと現状や過去からの体験の振り返り,自分の取り組みなどを共有することが出来たのは,良かったですね。
4つのテーマを,事前の質問としてまとめていました。
参加したかったけど残念,という声もいただいていましたので,個別の話しではなく一般的な部分として,3つを共有させていただきます。
1:自分を好きになるために,自分を許すことが必要な気がする
自分に対する否定感とどのように付き合うのか,否定感自体の裏にある肯定に目を向けられるか,そしてその取り組みを支援してくれる人を持てるか,という話が出ていました。
自分を許すということは,甘やかすことではないように思います。また,自分に「よくやっているよ」と単に声をかけることで,自分のことを好きになれる,ということでもないかもしれません。
許さなければならないような間違いは誰もが犯してしまいますが,そこにちゃんと責任を負うことで,そして「ごめんなさい」と(時には自分自身に対して)謝ることで,次に進もうとすることでよいのでしょう。
時には,誤っても許されることではない,という終わりのない罪悪感や,許せないという感情に現実的な視点で立ち向かい,それに負けずに安易な自己否定に陥らないように,「(今)よくやっている」「(それぞれの時にはその時なりに必死であったという意味で)よくやってきた」と自分に声をかけるのは,自分に対して肯定的に関わろうとする態度を育もうとすることであり,許すというのはそのような延長にあるように思います。
自分の感情が強くなるところ,罪悪感や嫌悪感,怒りや悲しみなど,それらを探りながら,一つ一つ確かめ,見直していくことは大切ですね。
2:親への怒りが止まらず,インナーチャイルドの癒しについて関心がある
親との関係に悩む人は多いでしょう。
全く自分のことを省みてくれなかった親もいれば,いいところもあったけど嫌なこともしてきた,という親もいるでしょう。
親も完全な人ではないから,なんて冷静に見えるために,物理的に連絡もたって距離を置いて時間を持った人,その期間に心理的な距離を持てるように取り組もうとした人,いろいろといます。
親を許さないといけないと頑張る必要はない,という話もあります。
ただ,実際には親ではなく,自分の中の親との関係ということを考えると,そのように意識化できていること自体が,取り組みのステップに載ってきているのかもしれません。
さて,怒りという感情についてですが,これは自分のことを守るために大切な感情です。ただ,怒りをうまく扱うことが出来ずに,自他を傷つけてしまうことも多々あります。強すぎて制御不能な怒りは,物事を見えなくもさせます。
怒りを外に向けるための対象があることは,怒りが自分に向かないという点において,自らの助けになっていると感じる人が多いようです。
また,親という怒りを向ける対象を持てることを幸せだと言った人もいました。
インナーチャイルドにも目が向いているということは,過去の心の傷を自ら癒していこう,という態度に繋がりますね。
過去に実際に体験できなかった温かい支援や気配り,それがちゃんと自分の深いところに届いていることを見出そうとする取り組みが,インナーチャイルドの取り組みです。
時間がなくて,インナーチャイルドについては話をする時間は殆どありませんでしたけど,また過去の本ブログでも,そしてまたの機会を持ちたいですね。
以前は,インナーチャイルドに取り組むためのグループを玉井心理研究室でもやっていたのですけどね。すべてはコロナで中止となりましたね。
インナーチャイルドは,専門家の助けがあるとより深いところにも手が届きやすくなりますが,基本的な知識さえあると,内なる自分に対する態度を作っていくセルフヘルプ的なアプローチとしても使えます。まずは,心地よい感覚を得られる実践から始めてみるとよいでしょう。
3:どのような人と働きたいか
否定的な人で,自分を否定するのみならず,時にその否定が外に向くことがある人もありますね。つまり,怖さを感じさせてしまう人もいますね。
安全な人である,つまり人を不要に攻撃しないし,怒りをうまく伝えることが出来る。そして自分の責任をがんばって果たそうとする,という姿勢を持つ人とは,一緒に働きたいでしょうね。
職場における居場所感も,自分の調子次第で変わって感じることがあるように,自分の気持ちで変化するものもありますので,自分の気持ちが不安定になりやすい方は,それも大切なチェックポイントになるでしょうね。
自分を大きく見せても,実際に一緒にいてみるとなかなか実態が伴わないと感じる人もいます。
もちろん,大人としての振る舞いを身に着けることは大切ではありますが,自分を理解して,そのことをある程度伝えられる形で伝えられるのも一つの手なのでしょう。
何をしても嫌なことをしてくる人がいるのも事実ですから,それはそれで,距離を置くしかないですけどね。これは,上述の親との関係とも絡みますけどね。
グループは,自分の取り組みを支える仲間と会う場でもありますね。
皆さんも,それぞれに取り組みを持っていると思いますが,また,機会を作りたいと思います。
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