心理療法・カウンセリング

日本臨床動作学会第31回学術大会 に参加してみた

動作法

 臨床動作法,あまり聞きなれない言葉かもしれません。

 故 成瀬悟策先生(臨床心理士第一号 九州大学名誉教授 心理学博士)が開発された心理療法です。元々は,肢体不自由児の支援に役立ったという結果から,身体を動かすことで,結果として心が整っていく,ということを進めています。

 私,玉井も論文を書いている中で,身体性の重要さを改めて感じ,以前より知ってはいましたが,あまり深く分け入ったことのなかった動作法の継続研修会に参加するようになりました。
 約3年近く,自分でも取り組みを続けていく中で,その意味も感じています。

 今年度は,その活動を拡げていく学会,日本臨床動作学会に入会し,この2月に初めて当学会総会に参加させていただきました。

 私は,いつの間にか学びを続けてきた結果,認知行動療法に親しんできたのですが,思考とは何?思考をうまく利用はするが,思考が中心になりすぎないように,などとも強く考えており,その部分認知的な扱いがされていないことを中心に検討をしている団体での学びは,新しい刺激となっております。

 このアプローチがどのように拡がってきたのか,それからどのように学びが広がってきたのか,歴史的なことを知るのも興味深いですし,その過程を様々な著名な先生方や,私はよく存じ上げなかった先生方がどのように考えているのかを示されることに,とても関心を持ちました。

 考えすぎること自体が問題を増悪させることがあること,それよりも適切な行動を維持することなどは,森田療法を提唱した森田正馬(精神科医)も言っていることですが,納得できるところであります。

リラクセーション

 では,どんなことが言われていたのか,ということになると沢山あって書ききれません。

 お二人だけ,紹介してみましょう。中島健一講師(心理療法家 愛知学院大学教授)は,リラクセーションについて本当に細かく考えておられました。体の外のリラクセーション,身体の内のリラクセーション,果ては脳のリラクセーション,体の内部をどのようにリラックスさせる取り組みをしているかなど,とても面白い話が沢山ありました。

 もうお一人は,動作法の専門家ではなく,マインドフルネスで有名な井上ウィマラ講師(高野山大学教授)の話しも。井上氏は,玉井の専門とする認知行動療法でもよく耳にする方です。
 マインドフルネスのステップと,感情を手放すということを絡めてお話しされていましたが,そうだよなと改めて納得するところが多くありました。

 他にも,いろいろとあるのですが,それはまたの機会に,もう少し整理して書いてみたいと思います。

コロナ対策を行っている心理相談室 玉井心理研究室

 玉井心理研究室では,認知行動療法イメージワークを用いて,トラウマから精神疾患,対人関係など広く心理療法を提供しております
 また,個人のみならず,組織における人事・メンタルヘルスコンサルタントとしてもお手伝いをしております。

 コロナ後に拡がったオンラインによる相談ですが,今後も継続する予定です。