境界線とは
最近は、外出自粛という状況で、今までとは対人関係が変わってきている、という人も多いことでしょう。
少し、境界線という対人関係を理解するうえで、わかりやすい視点を紹介したいと思います。
「境界線」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべられるでしょうか。
あなたは、あなた以外のものとは物理的にはつながっていませんが、あなたとあなた以外の人、物との間には何があるでしょうか。
隣の席との境界線、隣家との境界線、県境、国境、具体的なものから、その状況で、更には時と状況により変化するものまで、皆さんが関心あることに従って考えられることと思います。
自分の内外の境界線、皮膚の表面なども、物理的な境界線ですが、ここで取り上げる“境界線(boundary)”は、自分と人の間にある“境界線”についてです。
時に、私たちは誰かのことを、くっついて離れたくないぐらい好きになるかもしれません。
それは、素敵な恋愛かもしれませんが、やっぱり離れられないと困ります。
やはり、好きだからこそ一緒にトイレには行かないし、見せたくないこともあります。
でも、人によっては離れることを極端にさびしく感じたり、離れることは「関係の終わりだ」などと感じてしまう人もいます。
境界線があるからお互いを大切にできる
つまり、この“境界線”は、「私は私」ということを維持するのに不可欠なのであり、この“境界線”がしっかりあればあるほど、『私』を大切にでき、『相手』を私とは異なる存在として大切にできるようになるのです。
その境界線を越えて、言葉をお互いに投げかけあっています。
だからこそ、自分勝手な言葉ではなく、相手にわかるように、うまく自分の気持ちを伝える、そんなスキルも身に着けておけると、良い気持ちになれるのです。
境界線を身に着けていく過程
人間は、生き物の中でも未成熟な形態でこの世に誕生する、珍しい生き物です。
ほかの動物なら、生まれて数時間で自分で立つなどできるというのは、珍しいことではありません。
人間は、完全に主には親という他者の支援がないと生きていけません。
そして、その他者との関係を体験することで、境界線を学んでいくのです。
生まれて間もない赤ちゃんは、お腹がすいたら泣く、便が出て不快であれば泣く、そしてそれらをケアしてくれるのは、自分とは別の存在だなんて認識せずに、生きています。
母親と私は一体なのです。
そして、次第に母親と自分が別の存在であることを認識し、離れられるようになっていくのです。つまり、適切な境界線を身に着けていくのです。
この“境界線”の周辺について、そして健全な“境界線”をどのように作っていくのか、ということについて書いていきたいと思います。
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