認知行動療法

自分の成功を値引きする「マイナス思考」「ディスカウント」 考え方のクセ➅

 私はうまくいっていない。成功したって人は言うけど、他の人ならもっとうまくできたはず。私には良いところなんて何もない。

 まぁ、ネガティブですよね。

 こんな考えが頭の中をぐるぐる回っていたら、どうなるでしょうか。“考える”ことは人間に大きなインパクトを持って影響を及ぼすのです。

 プラス思考をしなければならない、なんて追い詰めないでくださいね。私は過去に、認知療法学会で「マイナス思考のススメ」という発表をしたことがありますから。マイナス思考がよいのではなく、マイナスに見える思考でも、プラスに見える思考でも、それが自分の状態に良く働いていれば、つまり楽になる幹事に繋がっていればいいんですよ、ということだったのです。

 昔お会いした方に言われたことを思い出します。

「私は死にたくてたまりません。死ぬことばかり考えています。でも、死ぬことを考えているときに、少し楽なんです」

 その方と、実際には死なないでいいようにどうするか、でも死ぬことを考えることで“楽”な感じがすることを確認していた気がします。今なら、もっとその感覚を追いかけられるかな。どうだろう。

 マイナス思考で、ちょっと「良かったな」と思って心が温かくなった時に、すぐに自ら冷水を浴びせて、「やっぱり私はダメだから、良い筈がない」などと冷え冷えとした状態に追い込んでしまう、神経系の影響もあるけど、自分にとって良さそうな考えに自分を馴染ませてみる、そんな練習もしていきたいですね。

心が楽になり、前向きな人生を送るためのカウンセリング

カウンセリングや心理療法に行く、そこに何かハードルを感じて「占い」に足を運ぶ人もいます。

私たち心理士が行う支援はどのようなものか、皆さんに分かってもらえる努力が足りないのでしょう。

ある団体で、職員全員とお会いする機会があるときに、問題があるとかないとかに関わらず、自分の性格とストレス時の心の動きについて話し合うことがあります。気持ちを調整するための”心の筋肉”を鍛える方法を共有するためです。

ある方はおっしゃってくださいました。

「何回も相談に来ました。決して安くはなかったけど、人生が変わったので、大学に行くよりはるかに良かった」

少しはお世辞もあったかもしれないけれども、本当にその方の生き方が変わっていくのを目の前で見させて頂き、私の心も震えるぐらい感動しました。

私たちは、一生懸命にクライエントさん(面談に来られた方)の話の全てに耳を傾け、ひたすら聴き、何がおこっていて、どうすればよいのかを一緒に考えます。

ただただ、皆さんの心を整えるために、ベストを尽くそうと学び続けています。

こんなことでも良いのかな、という場合には、お問い合わせフォームからご相談ください。

相談・お問い合わせ

コメント

  1. やぎ より:

    「マイナス思考のススメ」いいですね。私も大切だと感じています。厚労省の自殺対策ガイドラインも別な支援を提案しつつも個人の意思は尊重しつつ「決めるのは相談者」であることを自覚するってなっていますね。それについて真剣に考えたことがあるので、「マイナス思考のススメ」も頭の隅に入れておきます。

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