思考の国道一号線、聞いたことがあるでしょうか。私が時々使うセンテンスですが、少し紹介したいと思います。
認知行動療法では、問題を無くそうとしているのではなく、問題が続くパターンから自由になることを目指しています。つまり、嫌なことがあれば嫌な気分にはなるけれども、嫌な気分が続かずに、落ち着けるところに戻っていける、ということであればよいのです。
そして、認知行動療法では、問題を続けやすくする思考や行動のパターンがあり、それからなかなか自由になれずに囚われているんですよ、という説明をしているのです。そう、そのパターンが国道一号線なのです。
分かっていても、知らず知らず、いつも歩きなれた国道一号線に足を踏み入れてしまいます。そんな自動化した思考・行動から離れ、最初の内はけもの道のような歩きにくい道だけれども、必ず先には穏やかな戻っていく場所に繋がっている、そんな道を踏み固め、歩きやすい道を作っていくのです。
脳の回路も似たようなものかな、と思いますね。
一つだけ補足。国道一号線が旧国道一号線となったとしても、旧道が消えるわけではありません。疲れた時など、ふらふらっと迷い込む人も多いのですが、それは問題の再発ではありません。ちょっとした寄り道に過ぎないのです。