食べる欲求
食事は、生命を維持するために基本的な行動です。
空腹になると適切に「食べたい」という欲求が出てきて、欲求が満たされるとその行動が止まる、というはずですよね。
ただ、この欲求が他の欲求によって邪魔されたり、うまく欲求を受け取れない状況になっていると、摂食障害になってしまうのでしょう。
人は、自然から離れてしまっています。
摂食障害について
摂食障害の細かい診断基準は、今回はちょっと横において、概観したいと思います。
DSM5によると、この領域に、異食症、反芻症、回避・制限性食物摂取症、神経性やせ症/神経性無食欲症、神経性過食症/神経性大食症、過食性障害、他の特定される食行動障害または摂食障害、そして特定不能の食行動障害または摂食障害、とあります。
ここでは、見かけることの多い3つについて、説明しましょう。
神経性やせ症/神経性無食欲症:拒食症
これは、Anorexia Nervosa(AN)と言われる病気で、やせることに囚われ、体重を期待される体重を下回ることから、痩せすぎで危険な状態になることもある人たちです。
食欲がないわけではなく、過食・排出型とされる人たちは食べ吐きを繰り返したり、下剤を利用したりします。それ以外の人たちは、摂食制限型となります。
この病気になる女性は男性の約10倍と言われ、若いころから発症することが多いようです。ダイエットなどをきっかけに発症する人も多く、拒食症と呼ばれることがありますね。
不安を背景とした強迫的な傾向が高い人、つまり頑張り屋さんなどに多いともいわれます。
自己否定感も強く、苦しい時には希死念慮を訴えることも多いですね。
親子関係や過去の生育における被害体験などを持つことも多いです。
神経性過食症/神経性大食症:過食症
これは、Bulimia Nervosa(BN)と言われる病気で、食欲をコントロールできない感覚が強く、太らないように嘔吐や下剤などの方法をとることが多いです。
食べている、というより(食べ物を)詰め込んでいるようで、誰かに操られているようだ、という訴えを述べる人もいます。
痩せていることを主なテーマとする神経性やせ症(AN)とは異なり、外見の変化に現れないことも多く、他者からは気づかれないこともあります。
神経性やせ症の経過中に発症することもあります。
過食症、と言われることもあり、拒食症と同様に自己否定感が強い人が多いですね。
その頻度により重症度が分けられています。
過食性障害
これは、Binge-Eating Disorderともいわれる病気です。食べることを止められない病気でもあり、苦しくなるまで食べて、多くは太ります。
不快な気持ちを和らげるために食べ続けてしまうので、食欲を抑制する機能が眠ってしまうようです。
単なる食べ過ぎとは、経済社会的な問題を生じさせてもこの行動が止められなかったり、強い精神的苦痛が伴われていたり、行為後の強い自責感や抑うつ感があるなどといった点で異なっています。
この、食べる欲求がうまく機能しない欲求について、人によって異なりますが、うまいバランスを学び、身に着けていきたいですね。
玉井も多くの摂食障害、過食症や拒食症で悩む人たちとお会いして、回復のお手伝いをしてきました。必要であればお問い合わせください。
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