精神疾患

精神疾患を理解する⑱ 社交不安症へのアプローチについて

りんどう

気合いと根性ではだめですよ

 昔から、「かわいい子には旅をさせろ」「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」などということが言われてきました。

甘やかしているから、不安を解消できないんだ、甘やかしてはいけない、という先人の教えでしょう。

 確かに、過保護は本当にシビアな問題を作ります。

 そのような発想で、対人恐怖なども含めたこの社交不安症などは、誰もが感じることだから「気合いと根性」で何とかしろ、という人もいます。

 ただ残念ながら、その場合には旅先で子供が行き倒れになったり、谷の底から這いあがれない子供がいてその谷底で誰かの世話になるだけだったりします。そんな子供を責めて、「弱い奴は淘汰されるしかない」といっても、それも暴論です。

 「私は褒められて伸びるタイプです」と主張する子供を、過去にテレビで見かけた記憶がありますが、それはいいですね。

支援のバランスの難しさ だから専門家を利用する

 他者に対する褒めることと突き放すこと、このバランスはなかなか難しいものです。

 既に不安や恐怖心が強く、診断がお医者さんによって出されるレベルになると、それまでの周りの人の関りにおいて、褒めることと突き放して自分でやらせることのバランスが大きく崩れています。

 それ故に、専門知識を学び、訓練を受けている専門家が提供するバランスの取れた関わり方の中で、取り組みを進めることで回復に努めるのです。

 私も専門とする認知行動療法などは、不安症(不安障害)への対応に優れていると感じていますし、エビデンスも集まってきています。

 お医者さんもお薬を出すことがありますが、不安症における扁桃体の過活動などを抑えるために有効ともいわれます。ある種の抗不安薬は、様々な問題も指摘されていますが、即効性があるため、多用するお医者さんも、その薬を求める患者さんも少なくないようです。

家族、周りの方による理解

 この社交不安症の人が、ご家族に対しては強く自分を主張されることはあります。

 これは、いわゆる「内弁慶」というものですね。

 外の人には強く言えないけれども、家の人には強く言えるので、褒める・見守る・突き放すのバランスが難しくなります。ご家族の方も、様々な感情に巻き込まれますので、一緒に病気について学んでいただき、支援しながらも少し距離を置いて見守れるようになれるとよいですよね。

 玉井心理研究室のメインホームページや、ほかのブログでもいろいろな情報を発信していますので、ご覧頂ければ嬉しいですし、気に入った情報や文章などがありましたら、当研究室の応援になりますので、広げていただけたら私としてはバンザイです。

玉井心理研究室ホームページをご覧ください

玉井心理研究室では、臨床心理士・公認心理師の玉井仁が個人・家族への心理カウンセリング、組織・団体へのメンタルへルス・コンサルタントとしての研修や各種支援を提供しています。

トラウマや過去の経験にまつわる心の傷、頑張り過ぎや諦めから心を開いて人と関わりにくくなってしまうこと、精神的な疾患での苦しみ、対人関係の苦しみなど、様々な方たちや組織と関わらせてもらってきた経験から、支援や情報を提供しています。

ホームページでは、トラウマについて、感情の調整の問題について、認知行動療法といったトピックについての説明を含め、様々な領域でどのような現状があるのかなど、情報を整理して提供もしています。

是非ご覧いただき、感心がある方はお気軽にお問い合わせください。

右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

下のボタンをクリックして頂いたホームページの中にあるのですが、見つけられたらすごい!

玉心理研究室のHP