「言語と意識の起源」Tran Duc Thao(チャン デュク タオ)
ベトナムの哲学者,チャン・デュク・タオによる本,「言語と意識の起源」に目を通しました。
今日は,簡単にその紹介です。
この本自体は,1973年に出版されたものですが,日本での翻訳本の出版は1998年です。
博士論文を書いている中で,意識の起源について遡っている際に,大山泰宏先生から紹介されました。
随分と以前から,このような視点は興味を持って検討がされてきているんだなぁと実感できました。
博士論文には反映させていませんが,提出を終えたところで読んだので簡単にメモしておきます。
意識の起源,マルクス主義的な人類学研究と認識論から子供の精神的発達の言語論的分析を参照しております。
率直なところ,前半のその部分はあまり興味が惹かれませんでした。
多分,その領域における私の知識が少ないからでしょう。
後半,エディプス・コンプレックスについての検討が進むあたりから,臨床心理の知識が役に立ち,読み進めることができました。
エディプス・コンプレックスとは,精神分析学を創始したフロイトが用いた言葉です。男の子が無意識のうちに同性である父を憎み、母を性的に思慕する傾向であり,エディプスが、父とは知らずに父を殺し母を妻とした、というギリシア神話「エディプス王」にちなんでフロイトが名づけたものとされています。人の成長に際して,これを乗り越えることが大切,と言われています。
エディプス・コンプレックスがいかに人類の発達的起源に由来するのか,まるでフロイトと一時期は共に無意識を研究したユングの視点に迫るような気がします。
今日は,ちょっとした読書メモで終わります。
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玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
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