赤ちゃんの観察から
心とは、一体どのようなものなのでしょうか?
生まれたときから持っているのでしょうか?
赤ちゃんの観察という、心理的知見から考えてみましょう。
赤ちゃんは、人の表情を観察します。そして、人と一緒にものを見る、ということを体験していきます。
自分の手が、自分の思い通りに動くことを確認し、体験し、観察します。
自分が見ている他者が笑いかけると一緒に笑います。
その行動が、次第に学習されていき、笑顔を探すようにもなります。
つまり、自分にとって心地よい刺激をくれる存在を求めるようになります。
次第に、コミュニケーションが複雑になっていきます。
言葉を持つことで、フィードバックもされます。
笑っているときに「嬉しいの…」と笑顔で言葉が返ってきます。
泣いているときに「悲しいの…」の悲しそうな顔で言葉が返ってきます。
自分が感じていることを言葉にされ、観察される体験を繰り返します。
さらに成長していくと
さらに成長していくと、一人遊びから他者と遊ぶことができるようになり、そのタイミングでのフィードバックは、「〇〇ちゃんにこのおもちゃを貸してあげよう」「仲よくしよう」となってきて、相手の気持ちに働きかけるような表情を作ることもできるようになります。
そして、「偉かったねぇ」などと褒められて、もう一度嬉しい気持ちになりながら、心地よい気持ちを共有します。
自分の気持ちに他者が目を向けてることを十分に体験できると、「相手の気持ちを考えてあげよう」などということから、「じゃあ自分の気持ちは…」ということへの発想も持ちやすくなります。
ここです!!
自分の気持ちを自分で感じ、考えられるようになるのです。
この時に、心が生まれたのではないでしょうか?
動物に育てられたアヴェロンの野生児は、その後人間社会で生活を始め、多少のコミュニケーションはできるようになりましたが、自分の欲求を観察することができなかったといいます。
心は、人間の社会の中で初めて身に着けるものなのです。
自分の気持ちを観察する、そしてその調整をする力をつける、基本的なことのようですが、そんなことはありません。
怒りを見つけるのがうまくて、調整がうまい人。怒りという感情を小さいころからうまく把握することができるように、周りの人からの支援をもらえたのかもしれません。
不安を見つけるのがうまくて、調整がうまい人、やはり同様です。
すべての感情について、バランスよく気づき、調整する能力があるという人は、本当に稀だと思います。
過去にはEQ(こころの知能指数などと言われました)、最近は感情教育、などということも重要視されています。
大人になるほど、それはうまくなります。ずっと成長します。
自分の気持ちに気づく力が今一つだなぁ、そんなことで対人コミュニケーションなどに不都合が生じやすい人もいるかもしれません。
自分の気持ちをどのように調整すればよいのかわからず、感情が暴走したり、感情を感じなくさせたりしてしまう人もいるかもしれません。
是非、心理カウンセリングによる援助を受けてみてください。
今までとは違う世界が広がっていくと思います。
玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングを提供しています。
現在は、新型コロナウィルスの拡散防止も念頭に、スカイプや電話による相談も強化しております。
玉井心理研究室のメインホームページや、ほかのブログでもいろいろな情報を発信していますので、ご覧頂ければ嬉しいです。
気に入った情報や文章などがありましたら、当研究室のブログからとして広げていただけたらありがたいです。