認知行動療法
認知行動療法は,自分の考えや行動が必ずしも正しいわけじゃないかもな,という視点を育てるための取り組みです。
よりよい考えや行動を見出す,という側面もありますが,それはおまけとしてついてくるものです。
認知行動療法は,どうも考え方や行動を変えることで,問題への適切な対応を探すもの,という理解がされていることが多いようです。
それは合っています。
ではなぜ考え方や行動を変えるのか,それは自分が自然に取っている考え方や行動が,必ずしもその状況に最適なものとなっていないから,それを”自分にとってより適切なものとする”ために調整し直すということなのです。
人によって,個人差が多少はありますから,正しい答えがあるわけではありません。
一方,特定の状況において,多くの人にとって有益な選択肢は似ていることがある為,「それが答え」というみられ方もしてしまいます。
実際に,その選択肢に対して,➀よくわからないけれども試してみよう,②それはよさそうだ,などと考えて実行してみて,その結果を検証してみるのです。
これが適切だ,という答えが自分の中で出るためには,試してみないと,場合によっては一定期間試してみないとわからないということもあります。
論文における主語の扱い 厳密なのに曖昧
最近の議論では,白黒的になっていることに気が付かない人が多いように感じます。
マスコミは,それぞれのよって立つ立場によって,それを正しいという主張をするだけですから,白黒的な情報発信するものです。
マスコミが正しいと考えすぎなのでしょうか。
科学的,という言葉も実は微妙です。
最近気が付いたのですが,英語では論文を書く時に,主語は「It」になることが多いのです。
彼は~その機械を使って…を確認した。
ではなくて
その機械が使われることで,彼によって…が確認された。
となるのです。
論文は,受動態で示すのです。
私は,何故主語が「It]になるのか,それは「私が」とすると主観的になってしまい,思い込みのようであるから,客観的であることを大切にするために必要なのだと考えてきました。
ただ,ふと思いついたのですが,それは実は,その主語は西洋社会における宗教,キリスト教の影響かもしれません。
科学的な研究とは,人が行ったというよりも,人によって変えられることのできない自然,つまり神の手によってなされていることを明らかにする,ということ。つまり,人が言うことができないことを伝えるのが科学論文,というものなのかということです。つまり,神が言っていることを読み解く,という作業だから,主語が「It」なのでしょう。
もしかすると,こんなことはその分野の方からは当たり前のことなのかもしれません。
少しだけ調べてみたのですが,わかりませんでした。
つまり,科学的であるということは,実証されたということでもあるのですが,その後ろの思想は考えてみるといろいろとあるのかなぁ,ということです。
日本の曖昧さ
海外でもある程度そうでしょうけれども,日本では科学的であるとされると,まるで水戸黄門の印籠のような力を持ちますよね。
それにも少し違和感があったのです。
科学的って,現在わかっていることはこれ,わかっていないことはこれ,でも研究が進んで理論が変わったときにはそれを柔軟に受け止めていく,という謙虚な姿勢なのだと思います。
その謙虚な姿勢と,印籠という印象に私の中で不一致が大きかったのです。
日本は,実はそんなに厳密な考えを追求しないように思います。
先ほどの,西洋の宗教と比べれば明らかでしょう。
西洋は一神教が主ですが,日本は多神教が主となります。
だから,あれも良しこれもよし,まぁそんなもんで,というのが自然なのではないかと思います。
法律の捉え方も,海外はもう少し鷹揚です。
イギリスなど,憲法などはなく,様々なルールや一般的な規則があり,それらを踏まえて社会が運用されています。
それらは,絶えず修正が加えられ続けています。
日本は,戦後50年かけて,最大与党の自由民主党は党是に憲法改正を掲げながらも,未だに成し遂げていません。
この杓子定規なくそ真面目さはなんでしょうか。
元々,日本は曖昧なところが多いから,きっちりと縛らないと何をするかわからない,と政治家たちが自らを,そして日本人を捉えてきたのでしょうか。
それ自体,思考放棄に陥っている,ということでは,いい加減なことをしているのかもしれません。
もう少し,自分たちの考えや行動について,客観的に見て,それが正しいとは思いきらないようにいろいろと試してみたいですね。
柔軟さがなくなってきたことの原因に,何が大切なのか,がわからなくなったのかもしれませんね。
だから,憲法至上主義に陥っているのかもしれません。
頭の体操をしていきましょう。
認知行動療法は,頭と行動の体操によいですよ。
詳しくは,ホームページのグループをご覧ください(ここをクリック)。
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