フッサールやハイデガー
このところ,フッサールの現象学やハイデガーの言っていることを簡単にでも理解することが必要となり,乱読中です。
いきなり,原典に向かっても理解は無理だろうと思い,まずはその解説書などを9冊,この休日に目に通しました。
書いておられる先生によっても,雰囲気がまるで違い,それはそれでとても面白く,立体的に理解が進む気がしました。これから,少しだけ原著も見るか…ハードル高いなぁ。
フッサールはオーストリアの哲学者で,自らの哲学を現象学と呼びましたが,これは,様々なものを認識するするということは,自らの中で他の物をそぎ落としてそのものをとことん理性を以て認識していく,という取り組みをさします。
自然科学において,主観と客観という一致することのない認識のギャップを,どのように捉えて乗り越えればよいのか,ということで主観/客観を排してそのような捉え方をしていくのです。
その取り組みは,まるで理性を信奉する修行僧にも感じます。
ハイデガーはドイツの哲学者で,様々なことを言われている人のようですが,20世紀最大の哲学者などという人もいるようです。
もともとはフッサールの弟子でもあり,大著『存在と時間』を著しました。
人はどのように存在するのか,ということについて明らかにしようとしたのだと思われます。
ここでは,それらを解説することはとてもできませんが,改めて哲学が何をしているのかな,という感想を新たにしました。
哲学とは
昔から,ソクラテス/プラトン/アリストテレスなどと哲学者たちは人や世界を理解しようとしてきました。その取り組みから現在の自然科学なども発生しているのですね。
そして,そのような検討がされてきた中で,分かりやすい事実,即ち客観というものを主観と分けていくことで対象化していったのですね。
ただ,主観とは何か,主観を維持するものは何か,主観と客観を繋ぐ概念はないのか,ということを探求し続ける学問が,哲学なんだなぁと改めて感じました。
それ故に,人の心の動きなどについても,詳細に検討している人も少なくないようです。
理想的な人間像,ということを追求している面も多いようで,それらは研究者たち自身の生き方にも繋がっていると思いますが,その理想からかけ離れていく人たちのことも考えると,心理療法ともとてもつながっています。
本当に,多くの優れた人たちが,その素晴らしい知識と頭脳で,人を理解しようとしているのだなぁと思います。もっと若く,このような世界に探求しようと取り組んでみると,また違ったのでしょうけれども,私はようやくこのような学びを自分の糧にすることもできるようになってきているのかな,とも思います。
巨大な知識を前に,たじろぎそうになってもそこに直面して取り組む,これ自体が大変なことですね。
相談にいらっしゃるクライエントさんたちは,それらの地図をなしに自らの存在にたじろぎそうになりながら,取り組みを続けておられるのだなぁと思います。
玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
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