オリンピック開幕
本日,2021年7月23日,一年間先延ばしになり,待ちに待った東京オリンピック2020が開幕します。
一部マスコミを含め,様々な意見をお持ちの方もおられるでしょうが,競技が始まるのです。
ただただ,応援したいですね。
関係者の方たちも,本当にありがとうございます。
暑さも,吹き飛ばしてほしいものです。
気持ちは,熱くなりますけれどもね。
限界を超えた先に見えるもの
オリンピック選手たちは,自分の持つ力を精一杯出し尽くそうとし,それを見せてくれるはずです。
選手になるために,自分の限界にもチャレンジしてきたのだと思います。
好きな種目であってさえ,そして自分の能力があってさえ,オリンピックに出て,さらにそこで結果を出すなんてことは,そうできることではありません。
自らを限界まで追い込み,逃げ出したいことも沢山あったことでしょう。
結果が出ることもあれば,出ずに腐ってしまいたくなるときもあったことでしょう。
わかってくれる人もいれば,わかってくれない人とも出会い,競技自体から離れたくなることもあったでしょう。
自分のことを追い込んで,怪我をして競技をあきらめた人たちも目にしてきたと思います。
自分を追い込むことが,怖くなったことも少なくないでしょう。
マスコミやスポンサーなど,ちやほやしてくれる人もいれば,必ずそれをやっかむ人もいます。
有名になるというだけで,人はいろいろな意見を言ってくるものです。
そんなことに囚われない心の強さが必要だった人もいるでしょう。
どのような種目も,一定の型がありますよね。
その型を極めていく中で,驚くような力を発揮できる瞬間があるのでしょう。練習で出来ることを本番で出せるか,本番の中で普段の力を上回る力が出てくる,いろんなことが起こるのも勝負の世界です。
限界に挑戦している中で,限界を超えたものがみられるとき,その人は自分が普段触れることのない心の奥深くからの力に繋がっているのかもしれません。
心理学的に言うと「自我」を超えたものが体現される瞬間なのかもしれません。
それは,なかなか簡単には触れられない世界,怖さも感じる世界,そんな世界で生き残った人たちなのです。
だからこそ,選手たちは私たちに勇気を与えてくれるのです。
心の世界のチャレンジ
私は,臨床心理を生業としていますが,そこでも自分の限界に挑戦する人たちに出会います。
苦しいのですから,当然と言えば当然かもしれませんが,自ら喜んで取り組む修業とは異なりますから,大変です。腐りたい気持ち,逃げ出したい気持ち,どうでもいいと思ったり,もうだめだと思ったり,そんなにすぐに問題が片付かないこともあります。
人は変えられないから,自分のことを変えていくしかない,という言葉を出しながら取り組みを進められる方も少なくありませんが,それも簡単ではありませんよね。
それでも,取り組みは自分の意識の限界を拡げ,自由な世界を手に入れることに繋がります。
古くはS.フロイト,C.G.ユングなどの深層心理学を切り開いた先人たちから,認知行動療法を創始したA.ベックたちも,自分の世界を広げていくことを訴えています。他にもたくさんいますね。
人の世界がどのようにできているのか,その世界を詳しく理解することを通して,その世界が広がるとはどのようなことなのか,理屈ではなく,実感をもって体験できるようになるのです。
これからの二週間,オリンピックを見られるのは限られた時間だけですが,楽しみにしています。
選手の皆さんに,そして自らにチャレンジする皆さん全員に,エールを送ります!!
一緒にチャレンジを楽しみましょう!!
玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
現在は、Zoomやスカイプ、電話による相談も強化しております。