学術という世界
最近,博士論文を書く過程で,改めて論文読解の練習をしています。
剣道で言うと,太刀筋を見極める練習とでも言いましょうか。
簡単に言うと,専門論文の良し悪しを見極める,という練習です。
何かを研究しようという着想ができれば,改めて研究の目的,または仮説を考えるでしょう。そして,その研究がどのような形で検証できるのかデザイン(計画)して,先行するレビューなどを抑えて,この研究の位置づけを明らかにします。そして,デザインを実現する精緻な方法を構築し実行し,記述していきます。様々な方法論には,その特色があって,必ず限界もあり,その限界をうまくフォローすることも大切な工夫です。効果がどのように測定されるのか,その方法が本当に目的に適っているのか,十分に検討することが必要になります。そして結果として新しい知見を見出せたのか,目的と合致した考察が記述されていることが必要になります。そして,それらはちゃんと正式な学術的資料として認められるための記述の作法があります。
今まで,何本か査読論文を書いてきましたが,このように改めて学び直してみることで,自分の取り組んできたことを振り返ると,論文を査読(専門領域の先生によって,論文の内容が優れており,適切な記述となっているのかなどを確認してもらうこと)していただいた先生方に感謝です…。誰に読んでもらったのかは分かっていなかったけど,殆ど査読という教育指導だったのですから…。
余りしっかりとその様な稽古をしてこなかったので,他の論文を見て参考にして,思っていることを好きに書いて,修正をしながらなんとか論文の完成に辿り着いていたのです。充実感あったけど(笑)。
剣道でいうと,下手な横好きがレベルの高い道場に何も知らずにかかっていったら,それなりに筋がよいということで受け入れてもらった,でもそのレベルをよくわかっていなかった,ということでしょうか。
実際には,いろんな人がその道場にはいることがわかってくるのですけどね。本当に優れている人も,ちょっと小手先でやっている人も,それぞれに様々なタイプがいるのです。
学術世界の門番
最近は,この稽古を学術世界の門番のようなこだわりが強くて厳しめの先生につけてもらっています。まぁ,自分の研究についてはとことん自信がなくなる…。
それでも,地力が少しずつつく気がして,楽しんでもいます。
とことんやる,というのは性に合っているんです。
殆ど,剣道のかかり稽古ですね。
私の剣道の先生も,厳しめでほめて伸ばす,ということは決して,でもないけどあまり得意としていない人なんですよね。私も長年かかって,ようやく先生がやっていることがわかってきた,と言うほどの出来の悪い弟子だし,その割にはこだわりがそれなりにある,という扱いにくい弟子だから,仕方がないのかもしれませんけどね…。
私は,結構ほめて伸ばすタイプですよ。いや,本人に受け止めやすく,わかりやすく伝えるタイプかな…。
最近は,いろいろなものを組み合わせて,お手軽に何でもできる,といったものがはやっているでしょうか。
もちろん,本格的なものも尽きないあこがれとして,廃れてはいないと思いますけどね。
私の出した本も,そのあいのこのようなものでしたかね。
一つの世界をきわめて深く掘り下げる,これは本当に面白い取り組みですね。
人生において,そのような世界を持てる,それは幸せなことですね。
剣道も,心理臨床も,研究も,そして日々の生活も,一つ一つを大切にしていきたいですね。(なんで剣道が最初なんだろう…)
この学びが心理臨床に本当に役立つのです。
より丁寧に相手と一緒にいられるようになる自分を見つけ,前には気が付かなかった感覚に気がつけるようになり,それがよりよい支援に繋がっていくのだと思っています。
本当に,たくさんの優れた先人たちがいるので,本当に感謝です。
苦しくて何に手を出してよいかわからない人,そのような目標なんて思い浮かばないという人,自分が何をしたいのかもわからない人,お話ししましょう。
玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
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