精神分析における支援理論
精神分析には、本当にたくさんの興味深い理論や知見があふれていますね。
最近は、エナクトメントも注目されていますね。
エナクトメントについては、過去にも書いた気がしますが、さらっとまとめると、まず相談の来談者(クライエントさん:CL)の転移というセラピスト(TH)に対して無意識の感情を向けることと、セラピストの逆転移というクライエントさんに対して向ける無意識の感情の動き、相談の中で現れてくるこれらをしっかりと見ることを精神分析では重視しています。
そしてその転移と逆転移という2人の間の無意識的な相互交流が、それぞれの振る舞いや2人の間の関わり合いとして現れてくるという現象のことを指しているのですね。
そんなわけで(ン、どんなわけかわからないが)、今日は精神分析の、支援における姿勢という視点で、WinnicottのホールディングとBionのコンテイニングについて少し書いてみたいと思います。
Winnicottのホールディング理論
イギリスで小児科医として、そして小児精神科医として精神分析も深めたのがウィニコットですね。
基本的には、相談という構造を維持し、その構造によって来談者を支えるという点では、どのような心理療法にも含まれていますね。
母子関係とクライエント-セラピスト関係が重なる部分もあります。
乳幼児が母親と同化→分化していく過程からこの理論は導き出されているのです。言葉にならないものをしっかりと共感の中で温めていくこと、そして安全な環境の中で早急な解釈をせずに、触れなかった部分に少しずつ触っていけるようになる手伝いをして、次第に万能感などから離れていけるように促していくのですね。
Bionのコンテイニング理論
ビオンは、なかなか難解な言葉をたくさん作っていった人ですね。結構好きですけど…。
セラピストがクライエントの気持ちにしっかりと関心を持ち、話を聞いていくという部分では、どのような心理療法でもコンテイニングの基本があるのです。
コンテイニングとは、更にクライエントがセラピストに投影をしていく、つまりクライエントが感じたことをセラピストに投げ込み、それをセラピストがクライエントに受け止めやすい形で伝え返していくことで、思考が整理されていく過程を推し進める、ということなのですね。
理論は人の理解のために、そして支援技法をより良いものにするためにありますから、それらを学んでいくことは、より的確な支援を提供できるようにするために、必須のことですね。
実際に、ケースを当てはめて辿っていくと、冷や汗が出ることもあります。
いろいろな学派がありますが、今日はちょっと必要があって振り返っていた部分について、簡単ですが書いておきました。
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