横田滋さんの死
横田さんは父性の厳しさで社会に対峙し、奥様の横田早紀江さんの深い母性とともに日本に拉致の問題を提示されました。
親の子供に対するどこまでも深い愛を、社会に示されたことで、多くの人の心の深いところにある感情を揺さぶったのでしょう。
親が子供を守ろうとするのは、動物の時代から変わりません。
親は、優しさと厳しさを示すことが必要です。
その二つの力をうまく持てるために、二つの性があるのかもしれません。
残念ながら、現在の人間は、自然の動物よりも傷つきすぎており、素直にその心深いところにアクセスすることができない人が多いのです。
大人の傷
昔は、親と子供だけではなく、社会の大人が子供を育てる、という視点もあったように思います。
現在は、社会の大人は危険、という意識を持つ子供たちも多いでしょう。
これは、大人たちの問題ですが、大人たちも大人になっても傷ついているのでしょう。自分の傷は、自分で癒す取り組みが必要なのですけど…。
怪我したところを洗って、消毒して、傷が自然に治るようにガードして触らないように我慢するなど、しばらくの間のケアを行うように。
心の傷も、物理的な傷と同じです。
日本という国
横田滋さんは、日本という国に北朝鮮に拉致された娘を取り返してほしい、ということを訴えました。
国民を守るのは、国だからです。
その国も、親の心を長く失っていたようです。
いや、今でも見失っているのでしょうか。
子供が幸せになるかどうかはわからないけれども、子供が幸せになるために知識や知恵、対人関係のスキルや仲間を作る、そして自分を知る、ということを教えたいと思うのでしょう。
親が子供にそそぐエネルギーは、今も多大なものがありますから。
国が親の心を取り戻すためには、どうすればよいのでしょうか。
選挙のために自分の意識をごまかすようではいけませんし、各省庁の既得権益や自分の天下り先を確保することに必死になってもいけません。
ただ、人は弱い生き物ですから、心に悪魔が忍び寄ってきて、悪いことをささやくことは自然です。うっかり、そのささやきに騙されることもあるでしょう。
だまされたら、それを恥じて反省しないと先に進めません。自分を守ろうとすればするほど、心の深いところとの繋がりを失っていきます。
横田さんの生きてきた姿は、いろいろなことを体験し、揺らぎながらも最後には悪魔のささやきに打ち勝ち、心の深いところでめぐみさんと繋がり続けてきた証でしょう。
本当に、人としての素晴らしい生きざまを教えていただきました。
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