心理療法・カウンセリング

エナクトメント 心理療法の最先端

enact

〔法律などを〕制定する、〔劇などを〕上演する

その名詞型、enactment

 “上演”という言葉ですね。

最近の精神分析で重要視されている言葉です。

エナクトメント

 これは、精神分析や家族療法で使われてきた言葉ですね。
このところ、勉強でちょくちょく見かけているので、少し振り返ってみました。

 まず、心理学辞典(誠信書房)を見ると、
行為的表象の欄に、エナクトメントの記載があります。
 本来の活用ではありませんが、興味深いのでそこからも引いておきます。

 認知発達心理学で有名なブルーナーという心理学者が言ったことですが、知的能力は個体発生的に3種類の表象形式から考えられるとのこと。
それらは、発達の順に
 ・行為的表象(これがenactive representationです)
 ・図症的表象(iconic representation)
 ・象徴的表象(symbolic representation)

ピアジェの感覚運動期と対応しているのですね。

家族療法では

 家族療法におけるエナクトメントとは、S.ミニューチンが、家族の問題を言語で報告してもらうよりも、実際に合同面接場面で支援してもらう方が治療的な介入も行いやすいことを強く訴えていました。

 例えば、「お母さんいつものように子供さんをしかってみてください。…そのときお子さんはどうこたえますか?」
などというようにです。

 このような動的な質問で、介入もしやすくなるのですよね。

精神分析では

 最近、エナクトメントは精神分析でホットなキーワードになってきているようです。

 精神分析を進めている状況で、セラピストまたはクライエントさんの意識化されていない心的内容が言動により表現されることを指します。
 単なるクライエントのアクティングアウトではなく、その関係の中で相互に生じるものですね。

 過去のパターンで出てきているもの、そして新しい創造として生じていくもの、それらをより分けててきせつにたぐっていくのですね。

「行為」というキーワード

 行為の中に入り、そこで感じるものを見つけ、観察して言葉にしていく、そんな作業を通して、心理療法は進んでいくのだなぁと思います。

 ここについては、いろいろと思うところがあるのですが、またの機会があれば書いてみたいですね。

 今日は、超ダッシュでエナクトメントについて触れました。もっとナラティブを書いてみたいと思います。

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