心理雑感

直観と勘の違い 脳科学から

月とスッポン

 この二つに違いがあるのか、『単純な脳、複雑な「私」』(池谷裕二著 ブルーバックス)を読みながら考えていました。

 その著書の中に紹介されていた文章で、棋士と話された時のことが書かれています。プロ棋士も、将棋の中盤は手が多すぎて難しい、それでも「これだ」と感じることがあり、その通りに進むと勝てることが多い、とのことでした。

 多分、私が将棋をするときに、「これだ」と思うのとは月とスッポン、比べるのも申し訳ないぐらい違うのでしょう。

かつて、科学の勉強においても

 かつて、イギリスで宇宙物理学を学んでいたことがあるのですが、その時に先生が言っていました。

 「しっかり勉強しろ。今現在、宇宙がどうなっているか、わかっていることを知りなさい。そして、次の発見は、“ひらめき”でしかわからないだろう」

 とことん勉強して、何がわかっているのかを理解した脳を作って、そこでひらめくことは、新しい理論や知見に結びつくことが多い、ということだと思っていました。
 残念ながら、私はその後方向を変えてしまいましたが…。

直観と勘

 直観とは、しっかりした知識や経験に基づいて生み出される、奥深い知恵の発露としての次の一手なのでしょう。

 勘とは、「こうしてみようか」という思いつき、思い込みにすぎないのでしょう。

 もちろん、それらの言葉の定義はここでは勝手にしていますので、人によって逆に使うのかもしれませんが…。
 いずれにせよ、二つの違いがある、ということがポイントです。

 池谷先生によると、脳のレベルでは“基底核”が関係しているとのこと。
 現在の脳科学では、もっと明らかなのかもしれませんが…この本も2013年の出版ですから

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