精神疾患

精神疾患を理解する⑳ パニック症へのアプローチを理解する

クロッカス

パニック発作について

 前のブログ「精神疾患を理解する パニック症を理解する」において、パニック症の診断基準の一部を書かせていただきました。

 その中のAの項目では、パニック発作とはどのようなものか、という定義がありました。

動悸や発汗といった11の身体的な症状と、抑制力を失うことと死ぬことへの恐怖という2つの心理的症状でした。

 このパニック発作の身体的なアンバランスは、誰にでも生じるものです。

 私も、過去にパニック発作を繰り返し体験した時期があり、「これだけ(パニックについての)知識があってもなるんだなぁ」と感じながら、苦しい感じに囚われそうになりながら観察していました。当然ですよね。サイボーグではないので…。

 すでに書いたように、パニック発作自体はそれほど珍しいものではありません。

 特定の状況や出来事に自分がさらされたときに、思いのほか反応が強く出ている、なんてことはあるのです。

 気質にもよりますが、過去の経験で人により反応が出やすい場面が異なることもあります。

認知行動療法による予期不安と行動回避の修正

 パニック症の問題は、予期不安と行動回避です。

 「また、パニック発作が起きるのではないか」「パニック発作が起きないように、出かけないようにしよう」

 このようにして、悪循環はすぐに固定されます。電車に乗れなくなる、家から出られなくなるなど、自由に鼓動できる範囲が狭まっていきます。

 厚生労働省が出しているパニック症への治療ガイドラインでも、認知行動療法が取り上げられていますね。

 パニック症にかかっている期間、その治療への取り組み期間などにより、アプローチは異なっていきます。

詳しくは述べませんが、認知行動療法では様々な技法がパッケージになっていますので、それらを駆使して不安ことに少しずつ接してもらい、不安が通り過ぎて下がっていく体験を積んでもらいます。

 認知行動療法の一技法である身体内感覚暴露というアプローチも、パニック症の方には有効ですので、少し触れておきます。

 感覚暴露とは、感情暴露とは異なり、不快な身体感覚を過剰に危険なものとみなさなくてよいのか、確認するためにその体験を繰り返してもらうのです。

例えば、過呼吸の症状が出ることを恐れる方に、過呼吸の知識を持ってもらったうえで、意図的に過呼吸を起こしてもらうのです。

あれ、結構気持ち悪くなりますけどね…。すぐ、回復しますよ。

専門の医療機関もうまく利用しましょう

 パニック症の治療を専門にしているところは、決して多くないですね。玉井も症例をいくつも持っています。

 千葉大学などでは、パニック障害治療プログラムを作り、その結果も多く報告してくれていますね。

 玉井心理研究室のメインホームページや、ほかのブログでもいろいろな情報を発信していますので、ご覧頂ければ嬉しいですし、気に入った情報や文章などがありましたら、当研究室の応援になりますので、広げていただけたら私としてはバンザイです。

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玉井心理研究室では、臨床心理士・公認心理師の玉井仁が個人・家族への心理カウンセリング、組織・団体へのメンタルへルス・コンサルタントとしての研修や各種支援を提供しています。

トラウマや過去の経験にまつわる心の傷、頑張り過ぎや諦めから心を開いて人と関わりにくくなってしまうこと、精神的な疾患での苦しみ、対人関係の苦しみなど、様々な方たちや組織と関わらせてもらってきた経験から、支援や情報を提供しています。

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右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

下のボタンをクリックして頂いたホームページの中にあるのですが、見つけられたらすごい!

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