その定義と背景を簡単に
今回は、マインドフルネスについて書いてみます。
グーグルが取り入れていることが広まり、日本でも数年前から注目されるようになりましたよね。心理療法の世界では、2000年ごろからすごく注目され、活用されているのです。
「マインドフルネス」と聞いて、改めて説明できる人は少ないかもしれません。「禅」や「ヨガ」と言えば聞いたことがあるでしょう。禅やヨガの心理状態の研究とつながっていますので、それらを実践しているときの心の状態と言ってもよいのですが、これも分かりにくいかもしれません。
西洋のマインドフルネスの実践家であり研究家であるKabat-Zinnは、西洋医学で除去できない痛みの治療法を探る中で見出したもので、「意識的に無条件に現在の瞬間に集中をし続けること」(1994)と定義しています。
日常の中での意識
これを読まれている方で、温泉とか旅行に出かけて、食事が「美味しい!!」と感じたことがある人は多いのではないでしょうか。そのとき、家で慌ただしく新聞を読みながら、テレビを見ながら、仕事やその他のことを考えながら食事をしているのとは違った時間となったことでしょう。
一人であっても、他の人と一緒であっても、料理に舌鼓を打ち、感想を共有しながら味わったのではないでしょうか。まさに、食事をするというのは、食事に集中する、ということなのです。何か他のことをしながらついでに口に食べ物を運んでいる、のとは全く違うのです。
近年、スローフードという活動も耳にしますが、これも同様の食事とのかかわり方を提唱しているのだと思います。
過去に流行った本の『ホームレス中学生』では、30分間ご飯をかみ続けたら…さらに幸せな甘みに出会える、というようなことが枯れていた気がするのですが、それとはちょっと違います。というか、単なる脱線でした(笑)。
食事に対して美味しく感謝して食べること、と言っているのでもありません。ただ、今のことに集中するだけで、今やっていることを随分と違って感じることも出来るということを言いたいのです。
すぐに確かめてみよう
今、このブログを読んでいただいてありがとうございます。今、座っている椅子、または床の感触に10秒間集中してみてください。
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いかがでしょうか。その感覚は、この10秒の前にもありましたし、今でもあります。でもほかのことに集中すると見えなくなってしまいます。
私たちは、日々沢山の刺激に触れています。それらをすべて認識することはできません。時に、自分の気持ちですら…。
この取り組みは、気の長い修練のようなものです。
自在な生き方を目指して
一週間ほどのマインドフルネス瞑想の訓練で山にこもって取り組んだ、ということで新しい気付きへのきっかけを得ることができた、という話も時折耳にします。
取組みを続けることで、沢山のとっても小さい刺激への反応、体の声や心の声に耳を澄ませることも出来るようになりますし、いろいろなものに囚われてしまう自分から離れて自由な自分を作っていくことができるのです。
マインドフルネスは、ゆっくりと感じる作業ですから、忙しい現代社会に新しい生活のスタイルを提示してくれていると思います。ただ、スピーディな時代は変わりません。それへの対応もできる、そしてゆっくりとマインドフルに過ごすことも出来る、そんな自在な生き方も目指してみたいですね。
私も、過去に何度かマインドフルネス・ワークショップを開いたことがありますが、また機会があればそんな素敵な時間を持ちたいな、と改めて思いました。
ホームページも、過去のブログもご覧いただけると幸いです。今月後半には、インナーチャイルドのワークも予定しています。