「虫の目、鳥の目、魚の目」そんな言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。虫の目とは、虫が地面を歩く時、地面の砂の一つ一つが大きく見えていることでしょう。つまりミクロな細かく見る目を持とう、ということです。鳥の目とは、高い空から地面を眺めるように、大きく俯瞰する視点を持とう、ということです。魚の目とは、潮の流れを感じるように、流れを把握する感覚を持とう、ということです。
何か新しいことに取り組むとき、このような3つの目を持つことが大切だ、などと教えてくれた人がいました。意識していくことで、このような目を持つこともできるのでしょう。大きなマクロな視点、小さなミクロな視点、そして流れを感じる感覚、ともいえるでしょうか。
人が大きい、小さいといった大小の概念を持つのは、遠城寺式乳幼児分析的発達検査によると、2歳3ヶ月頃から2歳6ヶ月頃とされています。かなり小さいころから、この概念を身に付けるんですね。
そして人はその力を、困った形で活用してしまうこともあるようです。自分の失敗は大きく、成功は小さく見るのです。失敗のことを虫の目でみると大きく感じてしまいそうです。成功のことを鳥の目で見て、小さく感じるのかもしれません。まるで、エビングハウス錯視のようです。
錯視は、人が持つ見え方の傾向です。実際に、大きさが同じかどうか、計ってみると内側の円は同じ大きさであることが分かります。言い換えると、現実的にちゃんと図らないと、間違った感じのままに信じてしまうのです。拡大視・縮小視は仕方のない錯視のようなものでしょう。それから自由になるために、失敗の大きさ、成功の大きさを客観的に測定することが必要ですね。