認知行動療法

認知行動療法の講座にて

認知行動療法 玉井の著書

 昨日、知っているカウンセリングを学ぶ会の方から、認知行動療法の勉強をしたいとお誘い頂き、一緒に勉強する時間を持つことができました。言うは易く、行うは難しなのですが、簡単に振り返りがてらまとめておきましょう。

①状況を聞く 困っていることについて、共感的に話を聞いていくことから支援は始まりますね。関係づくりにもなります。

②どうしたいか目標を聞く 困っていることが解決したらどうなっているだろうか、現実的な目標を一緒に確認していきます。これは、話しが進んでいくなかで、より整理が進むことで見えてくるものが変わり、目標も変化することもありますので、定期的に戻って確認することも必要になりますね。

③現在の場所から目標地点まで、どのように進めばよいのか、話し合う。

③-1状況を整理するお手伝い アセスメントシート、ABCシートなどいろいろなツールがありますが、①で確認した困っている状況の整理、その状況における自分の反応などを確認します。状況、思考、行動、感情、身体感覚など、分かりやすい枠組みを使って、整理する練習をしていきます。

③-2パターンを見つけるお手伝い 整理したものを確認していくと、困った状況に繋がるパターンが見つかることがよくあります。そのパターンを確認できるとよいですね。考え方のクセや行動のパターンなどを利用して、陥りがちなクセを見つけられると、目標に向かう方法がイメージしやすくなります。

 気がついた自分のパターンをネガティブなものと感じることもよくあるので、受け止めやすくするために中和する支援も大切です。

④対策を話し合う 自分の困ったパターンから出るための方法を話し合い、実践に向かいます。その取り組みには、意味が感じられるか、実行できそうか、核にすることも大切です。

 様々な技法もありますが、それらは省略です。

⑤新しい世界を発見してもらう 対策を実践するとき、新しい世界に自分が向かおうとしている感じがあるといいですね。不安もあるけど、希望もある。実験的に試していくスタンスで進め、試行錯誤しながら、その途中経過を話し合いながら、調整して進めていきます。効果のある取組みを続けられると、新しい世界が広がります。

➅古い世界のパターンに備える 新しい世界を体験しても、古い世界のパターンに呑み込まれることもあります。そんなことも普通のこと、問題の再発ではないことなど、振り返り方、取組みを確認しておくことで、過去の自分を苦しめたパターンに陥っても、そこから自力で出られる自分を確認しておきます。

そんなこんな、あっという間の時間でした。理屈ではなく実際に体験してみることで気がついたり感じることが沢山ありました。肯定的に気持ちを支援しにくくなるとき、お説教したりアドバイスばかりしてしまいたくなるポイントに気がついてくと、自分のことが分かればわかるほど、相手の気持ちに寄り添うこともうまくなっていくのかと思います。人と人との出会い、終わりなき化学反応を体験的に学び続ける学びです。

支援をする人、支援を求める人、座る席は入れ替わることもあります。もう一歩、先に進められるように、取組みを続けていきましょう。

インナーチャイルドとの対話 3回シリーズ講座のご紹介

幼少時の傷つき体験に対して、「記憶の書き換え」技法は認知行動療法でも特に海外で研究が進み、日本でも少しずつですが認知されてき始めています。

皆さんには、「インナーチャイルドワーク」の方が耳慣れているかもしれません。様々な精神疾患に対して、またより広くは生きづらさを抱える方にとって、傷ついたまま癒された実感のない過去の記憶に対するアプローチは、パワフルな効果をもたらします。

10月から毎月、少しずつですがそのようなインナーチャイルドとの取組みの紹介、その実践に触れて頂き、自分との関係を温かく豊かなものとしていくきっかけとして頂ければと思います。

※3回シリーズで企画していますが、一回ごとの参加も可能です。

【日時】 1日目 令和元年10月28日(月) 午後6時30分~8時(終了)

2日目 令和元年11月25日(月) 午後6時30分〜8時

3日目 令和元年12月16日(月) 午後6時30分〜8時

【会場】 パレット柏ミーティングルーム(各回部屋が異なりますので、ご確認ください)

(千葉県柏市柏1-7-1-301:JR常磐線柏駅より徒歩3分)
【講師】 玉井 仁
【参考図書】 『自分をもっと好きになるノート』(右掲) 2019 日本能率協会マネジメントセンター

インナーチャイルドとの対話