認知行動療法

1を見聞きし、10を思い込む「過度の一般化」  考え方のクセ④

 久しぶりに、考え方のクセのお話をしましょう。

例1:職場である人にあいさつした時に、返事が返ってこなかった体験から、「私、皆に嫌われているのかな」

例2:初めて待ち合わせをする人が遅れてまだ来ていないとき「○○さん、約束を守れない人なんじゃない」

例3:パソコンでうまくやりたかったことができなかったときに、「本当にパソコンって難しいよね。専門家でないとできないよ」

いくつかの例を出してみましたが、今回の共通点は、1回のちょっとした体験から、その時だけではなく、その体験を一般化してしまう、というものです。「過度の一般化」と呼んだりしています。

 このクセは、多くのネガティブな出来事に当てはめられることがありますが、時々、その正反対の例もあります。

例4:「バレンタインデーでチョコ一個もらったんだよね。実は、世の中の女性は皆僕のこと好きで、チョコあげたいんじゃないかな。恥ずかしいからそうはできないんだろうけど…」

 見事な大勘違い。でも、害がなければよいですかね。

 こんな「過度の一般化」ですが、過度でなければ普通のことです。 さまざまな事実や、事例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論理的推論方法を、帰納法と呼びますよね。私たちがものを考える時に、一つの事象ではなく複数の事象から一般化しながら、「あーなるかな」「こーなるかな」と想像しながら行動しているのです。

 この一般化する能力がなければ、かなり厳しいことになりますよね。その時の一つ一つを大切にする、と言えば聞こえは良いのですが、毎回全エネルギーをその理解に注ぐのであれば、効率が悪すぎます。

 昔、マンモスをつかまえていた時代だって、「前にあの場所で見つけたぞ」という情報を元に、その場所から追跡を始めるのです(多分…)。

 いつもながら、ほどほどのバランス、これが難しいんですよね。

心が楽になり、前向きな人生を送るためのカウンセリング

カウンセリングや心理療法に行く、そこに何かハードルを感じて「占い」に足を運ぶ人もいます。

私たち心理士が行う支援はどのようなものか、皆さんに分かってもらえる努力が足りないのでしょう。

ある団体で、職員全員とお会いする機会があるときに、問題があるとかないとかに関わらず、自分の性格とストレス時の心の動きについて話し合うことがあります。気持ちを調整するための”心の筋肉”を鍛える方法を共有するためです。

ある方はおっしゃってくださいました。

「何回も相談に来ました。決して安くはなかったけど、人生が変わったので、大学に行くよりはるかに良かった」

少しはお世辞もあったかもしれないけれども、本当にその方の生き方が変わっていくのを目の前で見させて頂き、私の心も震えるぐらい感動しました。

私たちは、一生懸命にクライエントさん(面談に来られた方)の話の全てに耳を傾け、ひたすら聴き、何がおこっていて、どうすればよいのかを一緒に考えます。

ただただ、皆さんの心を整えるために、ベストを尽くそうと学び続けています。

こんなことでも良いのかな、という場合には、お問い合わせフォームからご相談ください。

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