関わり方として開発された「動機付け面接法」
動機付け面接法、Motivational Interviewing(MI)ですが、依存症を抱える方への支援として、有効なアプローチといわれています。
依存症の場合、様々な行動によって、内面的に深く満たされない渇望をごまかそうとしてしまいますので、「その行動をやめましょう」と言えばその通りです。
アルコール依存症の方に、「お酒をやめましょう。止めないとやばいよ」というだけのことです。
ただ、そんなことは依存症の人もわかっています。そんなことを言われるだけで止められるなら、遠の昔に止められているはずです。
実際には、依存行為をやめることのメリットもありますが、デメリットもあるのです。依存行為を続けることのデメリットもあるのですが、メリットもあるのです。
それらを十分に検討し、止めるかやめないかを決めていくのです。
その過程は、決して楽なものではありません。もちろん、決めても気持ちは揺らぎますけどね…、だからその支えも作っていくのです。
個人セラピー
個人セラピー(カウンセリング)は問題となる行為を見つめたり、そんな自分や家族との関係を見直していく過程として、核心的な部分を担っていますね。
人は、誰もがちょっとした心の傷を抱えているのですが、その心の傷が上述のような心の深い渇望につながってしまっていることもあります。
または、心の傷はそこまで大きくなかったのだけれども、ちょっとした悪い縁と出会ったタイミングが悪く、心の隙間につけこまれてしまって、問題行為から抜けられなくなってしまったりするなど、様々です。
いずれにせよ、依存的な行為から離れられない自分を自ら蔑み、自分のことを許せなくなり、人との心深い交流もできなくなっていきます。
そんな自分を振り返り、どのような方向に向かっていくのか、そのかじ取りをしっかりと専門家と一緒に進めることも大切です。
私も多くの方たちとお会いして、いろいろと学ばせてもらい、回復のお手伝いをさせてもらいました。
グループの活用
依存症の治療では、自助グループとの関りも大切です。
有名なところでは、AA(Alcoholics Anonymous)やGA(Gamblers Anonymous)などがあります。
薬物依存の治療でマスコミなどでも紹介された、田代まさしも一時期スタッフとして活動していた、というのも薬物の治療団体でもありグループでもあるダルクですね。
感情の問題、摂食、性、家族関係他、本当に様々なグループがあります。
依存行為に向き合い、その行為に入らないようにするために、仲間の存在を支えにして励まし、励まされ、自分に向き合っていくのです。
医療機関などによる支援も、家族への支援も
他、投薬治療などを含めた医療機関での入院なども、選択肢としてあげられることがあります。
依存症の治療に際しても、様々な支援団体や専門家たちがいます。
困っている方ご本人がすぐには動けない場合もよくあります。
家族や周りの方からの相談のよくあり、周りの方から治療アプローチが始まることも椎橋場です。
依存症を抱える家族のためのグループもありますし、家族の方による支援の在り方、関係性の作り方などについて、しっかりとした個人カウンセリングが役立つことも多いです。
勇気をもって、相談の一歩を踏み出してください。
玉井心理研究室のメインホームページ、ブログでも様々な情報を発信していますので、ご覧いただければ嬉しいです。