パーソナリティ障害について
今日は、昨日の続きとして、早速にパーソナリティ障害の話に入っていきましょう。
パーソナリティ障害は思考、知覚、反応、そして対人関係のパターンの特性が極めて顕著で、柔軟性に欠け、不適応的なものになるために、仕事および/または対人関係の機能が障害されるときに診断されます。
ここでは、DSM-5の診断基準を基本に、わかりやすく紹介します。
DSM-5とは、アメリカでつくられた精神疾患の分類と診断の手引きなので細かいものですが、まとめてみたので、一般の皆さんにも分かり易いかと思います。
通常は、パーソナリティ障害は青年期後期または成人期早期に明らかとなり始め、その特性および症状の持続期間には大きな幅がみられ、多くは時間の経過とともに消失するとされています。
パーソナリティ障害の診断基準 :DSM-5による
DSM-5ではパーソナリティ障害を10種類に分類しています。それを類似する特徴に基づいてA、B、そしてCという3つの群に分類しています。
A群は奇妙で風変わりな様子を特徴としています。
この群にはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。
・妄想性:不信および猜疑心
・シゾイド:他者に対する無関心
・統合失調型:風変わりな思考および行動
B群は演技的、感情的、または移り気な様子を特徴としています。
この群にはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。
・反社会性:社会的無責任、他者の軽視、欺瞞、自分の利益を得るための他者の操作
・境界性:孤独に対する耐性の低さおよび感情の調節不全
・演技性:人の注意を惹きたい欲求
・自己愛性:基礎にある脆弱な自尊心および明白な誇大性の調節不全
C群は不安や恐れを抱いている様子を特徴としています。
この群にはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。
・回避性:拒絶に敏感なことによる対人接触の回避
・依存性:服従および世話をしてもらう必要性
・強迫性:完全主義、柔軟性のなさ、頑固さ
こんな感じです。
それぞれのグループの違いがイメージできたでしょうか。
私、玉井は心理士としてのキャリアの初期に、激しいパーソナリティで苦しむ方たちの支援を多く行っている機関で働いていました。
つまり、B群の人たちへの支援という、なかなかハードなところから自分のキャリアを始めましたが、その後、C群の人たちとも多くで会い、A群の人たちともすごく沢山ではないものの、お会いさせていただき、心理支援を行ってきました。
激しくて大きなエネルギーを持ち、それを出す方向をうまく見出しにくい人たちの頑張りから、私もいろいろと学ばせていただいてきました。
また、個別のパーソナリティについても、書いていきたいと思います。
玉井心理研究室のメインホームページでも、また他のブログでも様々な情報を発信していますので、ご覧いただけると嬉しいです。