ライフサイクル論
エリック・エリクソンが提唱し、広く社会的に受け入れられたライフサイクル論の著書、エリクソンの晩年の「ライフサイクル、その完結<増補版>」を読み返しました。
論文作成で、どうしても目を通す必要があり、必要な部分だけ…と思っていたら、さらっとですが全部に目を通してしまいました。
前とは違う面白さがある。
発達の段階における優勢な課題について
人が成長する様々な年代において、様々な課題があるとされています。
例えば、赤ちゃん(乳児期)は基本的信頼を獲得する時期、となっています。世の中に対する、そして世の中の人に対する信頼ができるか、不信感を持ってしまうか、そんな時期なのです。
ただ、これはこの時期だけとは書かれていません。その時期において、ほかの課題よりも優勢となる課題だ、ということです。その後もその課題は維持され、形を変えて現れますし、ときに遅れて課題の達成となる、ということもありうるのです。
人の成長と変化
改めてこの本を手にして、前とは違う読み方をしている自分がいたのを感じます。
私の体験、または何か変化が理解の仕方を深めてくれているのであればよいのですが…。思い込みも強くなりそうで、慎重にしたいと思いますが…。
エリクソン自身が、晩年になり、老年期における過去の課題がどのような形で、老年期の人にチャレンジしていくか、それはすでにクリアーしたものであったとしても…。そして、柔軟にそのチャレンジに打ち負かされずに踏みとどまり、先に進むか、そんな力強さも感じました。
その丁寧に積み上げ、磨き上げた知識と経験、不断の学びの中でようやく出てきた成熟した勘のように見える正確な把握、それを表現する言葉、楽しかったです。
私が昨年出版した本、「自分をもっと好きになるノート」でも、まさにこの発達の話が土台になっていて、過去の発達課題に改めて取り組める、ということを書いたんですよね。
大先輩、先生方に大感謝です。
玉井心理研究室のメインホームページや、ほかのブログでもいろいろな情報を発信していますので、ご覧頂ければ嬉しいです。
気に入った情報や文章などがありましたら、当研究室のブログからとして広げていただけたらありがたいです。