快感原則の彼岸
インナーチャイルドについて調べていたら、フロイトの論文の文章に出会い、フロイト著作集を久しぶりに紐解いた。
フロイトの論文、『快感原則の彼岸』(1920)に、以下のような文章がある。
「患者は抑圧されたものを医師が望むように,過去の一片として追想するかわりに,現在の体験として反復するように余儀なくされる」
この文章で、“追想”と“反復”という用語が使い分けられているところが大切なところだ。
簡単に言うと、意識的に思い出すことと、思い出したくなくても頭の中に繰り返し出てきてしまうことの違いですね。
過去の不快な経験で、自分の中で十分に整理されていないことが、繰り返し浮かんでしまう、そんな経験を持つ人も少なくないでしょう。
この繰り返し、殆ど強迫的なまでに浮かんでくるものに対して、ちゃんと対処して、適切に思い浮かべたり、その思考を止めたりできるようにしたいですね。
想起することと強迫的な反復
インナーチャイルドを扱うことも、反復的に出てくるものを、意識的に想起できるものに変化させていく作業ですね。
身体感覚的にどうしても思い出すように感じて、身を震わせる人もいるでしょう。
しっかりとしたインナーチャイルドとの取り組みは、身体感覚をも変えていくのです。
フロイトは、別の論文『無意識について』(1915)において、無意識には時間がないとも指摘しています。
インナーチャイルドは、意識と無意識をつなぐ橋渡しをしているのです。
ま、そのあたり詳しくは、またの機会にしましょう。
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