心理療法・カウンセリング

カウンセリングにおける共感と傾聴

聴くって難しい

 先日、私が関わっているNPOにおけるちょっとした研修で、講師をさせてもらっているとき、傾聴について話し合いました。

 カウンセリングを学ぶ初学者の人たちは、ひたすらに相手の話に言葉をはさんで邪魔をしないように耳を傾けます。そう学んできているからです。

 相手の問題を解決してあげようとするのではない、まずは気持ちを聴こう、と頑張っています。
 ただ、どうしても聴いてもらっている人に満足してもらえないようです。

 ゆったりとは聴けないんですよね。やはり経験も大切か…と思います。

一生懸命聴くだけでは、共感にたどり着けない

 皆さんと話をしていて、自分の口から出てきた言葉を整理していくと、話を聴くだけでは、一方通行だということを皆さんに伝えていました。

 共感的理解、という言葉があるのですが、相手の話の中で共感的に理解したことを相手に伝えて、一緒に共感する場を作る、ということです。

 どうやら、多くの傾聴訓練では、一方通行にひたすら受け止める、そんな練習が多いようです。
 話を聴いてもらうつもりが、聞かされたのではどうしようもないですからね。

「聴く」は双方向性を作り出すこと

 心理カウンセラーがしっかり聴くということは、相手の言葉や態度や全てからのメッセージを全身で聴き、そしてその聴いたことで感じたことを話してくれた人に返すのです。

 「私はこんなことを感じましたよ」と。

 聴く技術と共に、伝える技術が必要なのです。

 話した人の中で、カウンセラーから帰ってきた言葉と自分の気持ちが一致したとき、嬉しくなり、それは態度として現れます。

 そして、その感じを観察したカウンセラーは、自分の伝えた言葉が相手に受け入れられたことを感じ、改めて一緒に話した人と一緒にその気持ちを感じていくのです。

 泣いている子供をなだめている母親は、一生懸命子どもに働きかけ続け、子供が落ち着いて笑ったところで、ようやくほっとして一緒に笑えて、一緒にギュッとできるのです。

 かつて、私の尊敬する先生に言われました。

 「言葉だけでギュッと抱きしめてあげられるかい?」

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