離人感、ちょっとしたときに生じるもの
疾患名が付くほどになると、様々な問題を抱えて大変でしょうけれども、軽い離人感などは、多くの人が体験するのではないでしょうか。
ジェットコースターから降りたばかりの神経系の状態、感情が暴走している自分を見ながら「やばいなぁ」となっている状態、事故でけがをしたのに痛みも感じない状態など、
まあどれもあまり普通ではないのかもしれませんが、軽い離人感を感じること、生活を脅かすことはないけれども、というのは時々見かけることです。
右脳の角回という部位に刺激を与えると、幽体離脱した感覚を得られるというから、ちょっとした脳のバランスのなせる業ともいえるのかもしれませんが…。
特徴
離人感・現実感消失症を持つ人は、損害回避気質があり、かつ未熟な防衛を使いがちだと言われます。
つまり、嫌な気分になることを極端に避ける傾向があり、その避ける方法が人との縁を切るとか、人に過剰に寄り添って合わせるとか、未熟な形であることが多い、というのです。
これは、この状態を示す人が持つ多くの背景として、情緒的なネグレクトや情緒的な虐待経験者があり、感情耐性も低く、情緒調整能力が育っていない、ということにもよると思われます。
苦しくなると、自分の感じるスイッチを切るように、何も感じないロボットのような態度を取り始めます。その時には、自分の感情にも人の感情にも関心を持たず、「私」という感覚もなくなっています。
離人感・現実感消失症の診断について 簡単に DSM5を参考に
離人感とは、自分の体、感覚、行動などにおける実体感がなく、外部の人間であるかのように感じている状態です。
現実感消失とは、周囲の現実的な状況に対して、非現実的で夢のように感じたり、声明を持っていないかのように、またはゆがんで見える、などのような状態です。
上のような状態の間も、現実検討は正常ですが、社会生活を送れないほどの苦痛や機能的な障害があり、物質使用やほかの病気では説明できないもの、と言われています。
不安が強い人たちも、離人感を訴える人たちがいます。パニック発作の症状の一つですが、不安障害が悪化していく中で、離人感が出てくる人もいます。
医療機関における投薬と訓練、心理士による心理療法の中での内面の混乱の整理と感情耐性向上の取り組みなどは、効果を持つことも多いですから、当研究室にもお問い合わせ、相談してください。
玉井心理研究室のメインホームページや、ほかのブログでもいろいろな情報を発信していますので、ご覧頂ければ嬉しいです。
気に入った情報や文章などがありましたら、当研究室のブログからとして広げていただけたらありがたいです。