精神疾患

精神疾患を理解する㉘ 解離性同一症を理解する

多重人格

 DSM5というアメリカの精神疾患診断基準のリストでは、解離性同一症、少し前までは解離性同一性障害と言われてきましたが、過去に多重人格と言われたもの、その方がイメージがわく人もいることでしょう。

 多重人格、つまり生物的には一人の人の中に、いろいろな人が住んでいるような状態です。

そしてその中に住んでいるいろいろな人達同士が、決して和気あいあいと仲良くしているわけではなく、記憶も共有せず、性格も異なり、時には相手を批判して行動を制限したり、結果として迷惑をかけるようなことをしたりします。

自分の中にいるいろんな人が、そんな風に自分のコントロールの外で好き勝ってやるならば、日常の生活もとても不安定にはなりますよね。

要因として、環境的な側面としては、圧倒的に他者からの虐待体験があります。

私の経験でも、お会いしたことのある解離性同一症の方で、被虐待者ではない人はいませんでした。海外では、戦争体験や貧困からの小児期の売春なども報告されています。

解離性同一症の診断 簡単に  DSM5を参考に

 診断は専門医でも簡単にはできないでしょうが、

 ・2つ以上のはっきりと区別される、つまり同じ人とは全く思えないパーソナリティの存在が確認されており、それら個別のパーソナリティは、記憶も共有していない。つまり、記憶の空白が生じるのです。過去の記憶も、分担して持っていることが多く、共有されていないことが多いです。

 そしてそのような症状によって、社会生活を送ることが困難になっていて、社会の文化・宗教的にも正常とは言えないこと、物質摂取や他の医学的疾患では説明がつかない、という場合に診断されます。

 本人も大変ですし、周りの方も大変です。自殺企図も高く、衝動的なパーソナリティが暴走することもあります。そして、多くの併存疾患を持ちます。

 その重症度も幅広く、軽度の場合には社会生活を送れている人もいます。

 玉井心理研究室でも、医療機関と連携して今回紹介したような疾患の方の支援も行いますし、過去のトラウマを解決したいという方たちへの支援も行っています。

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心理グループワーク at 玉井心理研究室

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 認知行動療法の基本的な発想を紹介し、その練習・習得を通して自分の状況に対する整理する能力を高めてもらう、そんな取り組みを目指します。
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