精神疾患

精神疾患を理解する㉖ 強迫症へのアプローチを理解する

おかしいとはわかっている

 イチローがバッターボックスに立ったときの姿、ラグビーの五郎丸のキックする前のポーズ、ある種の儀式的行為は、特定の状況では問題ではなく、特殊な能力を最大限に発揮するための手順とみなされています。

 そして、イチローも五郎丸も、自分の行動をおかしいとは思っていなかったことでしょう。

 強迫症の人たちの多くは、自分の行動や思考がおかしい、ということは認識できています。強迫性パーソナリティ障害の人は、強迫に対する親和性が高いので、違和感がないことが多いですけれどもね。

やはり不安、されど不安、不安の影響は大きい

 強迫行為、強迫観念の機能は、不安を軽減させることにあります。

 特定の行動や思考をすることで、不安が軽減されるという儀式となってしまい、ときには周りの家族たちにもその儀式を強要することもあります。

暴露反応妨害法をうまく用いる

 認知行動療法の技法で、暴露反応妨害法というものがあります。

 簡単に言うと、避けていること、例えば不潔恐怖の人であれば、汚いと思っているものに触れる、ということに取り組んでもらうのです。

 そして、その行動の後に高まった不安を和らげるための強迫行動をしないでも不安が下がるのか確かめる、ということを進めます。

 このアプローチは、ちょっときついアプローチですが、事前の段取りをちゃんと組んで進めていくと、効果も高いものです。

 そして、より高い不安になることにも接していけるようになる、そのようにして自分の縮小してきた行動範囲を、正常の広い自由さを取り戻していくのです。

 いずれにせよ、一歩一歩です。一足飛びには進みません。

 病気やその治療アプローチに対するちゃんとした理解を、本人も周りの人も学んで、進めていってください。

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右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

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