ビビり屋さん
ディズニー映画の「インサイドヘッド」において、“ビビり”という脳内のキャラクターがいましたね。
いつでもどこでも、ビビっているのが基本なのです。
お風呂の中といった、くつろげそうな場所ですら…。
布団の中でもビビっていて、なかなか寝付けません。
ただ、“ビビり”は他のキャラクターに圧倒されて、自己主張がそこまでできませんでしたから、そのビビり加減が社会生活を機能不全にするところまではいきませんでした。
不安が極端に強くて、社会的活動ができなくなるほどであるとき、それは病気とされるのです。
全般不安症、以前は全般性不安障害と呼ばれていましたが、この現れ方は文化的な違いが大きいようで、女性の方が多く症状を訴えますが、年を取るに従って減るとも言われています。
全般不安症の診断基準について DSM5による
DSM-5の診断基準を一部そのままに、そして簡潔にして紹介します。DSM-5とは、アメリカでつくられた精神疾患の分類と診断の手引きなので細かいものです。【】はその項目をまとめたものですので、一般の皆さんにも分かり易いかと思います。
A.【6か月以上、様々なことに不安が過剰】(仕事や学業などの)多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配(予期憂慮)が、起こる日のほうが起こらない日より多い状態が、少なくとも6ヵ月間にわたる。
B.【不安が抑えられない気がする】その人は、その不安を抑制することが難しいと感じている。
C.その不安および心配は、以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている(過去6ヵ月間、少なくとも数個の症状が、起こる日のほうが起こらない日より多い)
注:子どもの場合は1項目だけが必要
①落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
②疲労しやすいこと
③集中困難、または心が空白となること
④易怒性
⑤筋肉の緊張
⑥睡眠障害(入眠または睡眠維持の困難、または、落ち着かず熟眠感のない睡眠)
そして、この先は他の診断とも似ていますが、この病気で言われる不安が物質(薬物など)やほかの病気のせいではなく、社会生活ができなくなるほど重大である、ということなのです。
最近、スペクトラム障害という言葉がよくつかわれるようになりましたが、正常な不安と異常な不安の違い、以前も書きましたが、厳密には難しいところがありますよね。
厳密でないところで、行動の自由が維持できているかどうか、というのはポイントです。
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