パニック!!
パニック症(パニック障害)で指摘されるパニック発作、日常で私たちが「パニくった」というのとは異なりますね。
すごく簡単にまとめると、パニックに陥るような出来事に遭遇したとき、私たちはドキドキします。その時、体内の血流も大きく変わり、ホルモンバランスも崩れ、神経系の興奮状態も変化します。
そして、その体験を「苦しくて逃げられない、やばい」ものとして認識していくことで、実際にはパニック状態に陥るような出来事に直面していなくても、身体の中でのバランスが崩れやすくなってしまい、その不安の恐慌状態が起こりやすくなっていくのです。
DSM-5では、欧米成人における12ヵ月有病率は、約2~3%と推定されています。女性の方が男性の倍ほどの罹患率があると言われています。
パニック障害の診断基準について DSM5による
DSM-5の診断基準を一部そのままに、そして簡潔にして紹介します。DSM-5とは、アメリカでつくられた精神疾患の分類と診断の手引きなので細かいものです。【】はその項目をまとめたものですので、一般の皆さんにも分かり易いかと思います。
A.【パニック発作の繰り返し】繰り返される予期しないパニック発作。パニック発作とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる。
注:突然の高まりは、平穏状態、または不安状態から起こりうる。
パニック発作とは、以下のような症状で示されています。パニック症の場合には、診断基準の中に含まれています。
- 動機、心悸亢進、または心拍数の増加
- 発汗
- 身震いまたは振え
- 息切れ感または息苦しさ
- 窒息感
- 胸痛または胸部の不快感
- 嘔気または腹部の不快感
- めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- 寒気または熱感
- 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
- 抑制力を失うまたは“どうかなってしまう”ことに対する恐怖
- 死ぬことに対する恐怖
B.【予期不安と回避】発作のうちの少なくとも1つは、以下に述べる1つまたは両者が1ヵ月(またはそれ以上)続いている。
(1)【予期不安】さらなるパニック発作またはその結果について持続的な懸念または心配(例:抑制力を失う、心臓発作が起こる、“どうかなってしまう”)。
(2)【行動回避】発作に関連した行動の意味のある不適応的変化(例:運動や不慣れな状況を回避するといった、パニック発作を避けるような行動)。
他は省略しますが、その不安が他の薬物乱用や精神疾患を原因とはしない、ということになります。
パニック症の人は、思いのほか多く出会います。その治療がうまくいかず、慢性化して10年を超えて苦しんでいる、という人もいます。
パニック症へのアプローチについて、別に書きますね。
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