精神疾患

精神疾患を理解する⑪ 様々な依存の形を確認する

りんどう

様々な依存の対象

 これを読んでいただいている皆さんは、自分が何に依存しているのか、考えられることもあるでしょうか。

 例えば、私も沢山のことに依存しています。言い換えると、支えにしていること、といってもよいかもしれません。

 ・電気や水道といったライフライン

 これは、災害などでなくならないとそのことへの感謝の気持ちがわいてきにくいものですが、料金を払っているとはいえ、本当に支えられていますね。他、一つずつの解説は省略しますが…、

 ・家などの雨風を防げ、一定の安全を維持できる空間

 ・交通機関

 ・仕事 仕事もないと困るものです。経済的にも、自己実現のためにも。

 ・自分が身に着けてきたスキルや知識、技術

 ・国や地方自治体などによって提供される支援や制度、警察や消防なども同様

 ・経済への信頼を維持しようと取り組んでいる人々や制度、国や世界

 ・自然

 ・家族

 そのほか、きりがなさそうです。

物質依存

 物質依存とは、体内に取り入れた何らかの物質が脳の中枢神経に作用し、摂取が慢性的に続いたことで「やめようとしてもやめられなくなった」状態です。

 アルコールや合法の処方薬依存、違法薬物などの依存もあります。

行為依存(プロセス依存)

 特定の行動・行為から得られる刺激や安心感にのめりこみ、囚われてしまい、やめられなくなって日常に支障を生じている状態です。

 ギャンブル依存は、パチンコなどの昔から指摘されているものや、競馬などの公営のものもありますし、近年はIRの検討からも検討がされていますね。

 ゲーム依存は、WHOでも指摘されているとおりですし、インターネット依存、買い物依存などもありますね。

 自傷行為も、依存行為になることがありますね。

対人依存

 行為依存が対人関係に特化した形で、特定や複数の対人関係において、その関係がないと自分が保てないなど、日常に支障を生じている状態です。

 性依存などは、その顕著な一例でしょう。性行為に入る前の過程を楽しむ人もいれば、性行為を刹那的に楽しむ人もいますが、残念ながら本当に自分が求めている安心感にはたどり着かず、繰り返して本物の関係を求めてあがいている、そんな苦しさがありますね。

 共依存という言葉もあります。

 共依存とは、アルコール依存などの依存症の人を支えることで、自分の自尊心を維持させる、お世話する自分が好き、という人のことを指します。

 私は被害者だと訴えながら依存症の人を支えているようで、実は依存症からの回復を妨げている人を、イネイブラーとも呼びます。

 人は集団で生きる動物ですから、依存は避けられません。

 そして、一人一人のニーズは異なります。その違いを理解しあうためにも、自分を理解して、そして他者を理解しようとするのでしょう。そして、我慢して、譲り合う力も必要になるのです。

 同じになればいい、というのはそれぞれが違いますから、難しい側面も大きいですね。

 また、もう少し踏み込んで具体的な「依存症」についても書いてみたいと思います。

 玉井心理研究室のメインホームページや、他のブログ記事もご覧いただけますと嬉しいです。

玉井心理研究室ホームページをご覧ください

玉井心理研究室では、臨床心理士・公認心理師の玉井仁が個人・家族への心理カウンセリング、組織・団体へのメンタルへルス・コンサルタントとしての研修や各種支援を提供しています。

トラウマや過去の経験にまつわる心の傷、頑張り過ぎや諦めから心を開いて人と関わりにくくなってしまうこと、精神的な疾患での苦しみ、対人関係の苦しみなど、様々な方たちや組織と関わらせてもらってきた経験から、支援や情報を提供しています。

ホームページでは、トラウマについて、感情の調整の問題について、認知行動療法といったトピックについての説明を含め、様々な領域でどのような現状があるのかなど、情報を整理して提供もしています。

是非ご覧いただき、感心がある方はお気軽にお問い合わせください。

右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

下のボタンをクリックして頂いたホームページの中にあるのですが、見つけられたらすごい!

玉心理研究室のHP