対人関係・境界線

自他の境界線② 適切な距離をおけるか

良い関係を作るために必要な境界線

 「人との間に線を引く」ことは、人と距離を置くことだから、良いことではないのではないかと感じる人もおられるのではないでしょうか。ただ、人と一心同体ではない以上、違いを感じてしまい、引きたくない線を感じることもあるかと思います。

 相手と良い関係を持てるようになるためには、適度な距離があった方がよいのです。親子関係もそうで、赤ちゃんが生まれた時には母子は一心同体のようなものですが、時間が経って母子分離がうまく進むと、それぞれに自分のことも相手のことも尊重できるようになるのです。

境界線は、自分と相手を大切にするために大切

 嫌な人と接しなくてはいけない時、大人として振る舞い、相手を嫌いだとあからさまには出さずに、うまくやり過ごして、そんな中で相手の嫌な部分をあまり引き出さず、いい部分と付き合い、その後にやはり距離をとりたければ、用件の終了後は速やかに距離をとれれば良いですね。

 相手があまりにも近くにいると、その相手が何を感じて何を求めているのか、分かりにくくなります。目から数センチのところにあるものは、うまく見ることができませんよね。何か良く見るためには、少し距離が大切なのです。

 自分のことは、自分の中で感じることですから距離を置くことが難しく感じるものですが、そこでもやはり自分のことを観察する距離を持てるようになることで、自分の気持ちの調整がうまくなっていったり、行動しながらその行動に対するフィードバックと調整が出来るようになっていきます。

 自分の境界線のあり方を見つめてみませんか。また、次回に続けます。

インナーチャイルドとの対話 3回シリーズ講座のご紹介

幼少時の傷つき体験に対して、「記憶の書き換え」技法は認知行動療法でも特に海外で研究が進み、日本でも少しずつですが認知されてき始めています。

皆さんには、「インナーチャイルドワーク」の方が耳慣れているかもしれません。様々な精神疾患に対して、またより広くは生きづらさを抱える方にとって、傷ついたまま癒された実感のない過去の記憶に対するアプローチは、パワフルな効果をもたらします。

10月から毎月、少しずつですがそのようなインナーチャイルドとの取組みの紹介、その実践に触れて頂き、自分との関係を温かく豊かなものとしていくきっかけとして頂ければと思います。

※3回シリーズで企画していますが、一回ごとの参加も可能です。

【日時】 1日目 令和元年10月28日(月) 午後6時30分~8時(終了)

2日目 令和元年11月25日(月) 午後6時30分〜8時

3日目 令和元年12月16日(月) 午後6時30分〜8時

【会場】 パレット柏ミーティングルーム(各回部屋が異なりますので、ご確認ください)

(千葉県柏市柏1-7-1-301:JR常磐線柏駅より徒歩3分)
【講師】 玉井 仁
【参考図書】 『自分をもっと好きになるノート』(右掲) 2019 日本能率協会マネジメントセンター

インナーチャイルドとの対話