ナルシシズム(自己愛)

ナルシシズムと被害者意識③

 今回で表題の3回シリーズの最終回としておきましょう。

 前回までのところで、ナルシシズムについて、そして被害者意識とのつながりについて述べ、それらは乗り越えられることが求められている、ということを述べてきました。

 もう少しだけ、ナルシシズムと被害者意識についての話を拡げておきましょう。ナルシシズムの反動として生じやすいこと、です。

 拒絶の対象に打ち負かされてしまうと、自分の衝動調整が難しくなります。それは大変に困難な状況です。そんな時の1つの対策として、投げやりになるという対策があります。そしてその時には、自分の被害者意識は正当化され、より自分を満たされていない人と認識して、他者との関係は不健全なものとなっていくのです。

これはニヒリズムです。「何をしたってわかってもらえないんだから、どうだっていいや」「頑張る意味なんてないよ」などと言って、頑張って拒絶された対象を見つめる努力、拒絶したくなることを理解して受け止めようとする努力をやめるということです。

 このニヒリズムは、日本人の好む発想の「無」「無私に至る」といった発想と異なるのですが、似た要素もあり、日本人が陥りやすいものかと考えています。ただ、外国人にも見かけることですけれどもね。

 ナルシシズムを意識する、一方でニヒリズムに陥らない、そのバランスの難しさ、それもまた、心理療法の中で探し出していく人をたくさん見かけます。感情は、快か不快を感じるのであって、ちょうど良いを感じるのは意識しないとできないのです。

 8月に入り、暑い日が続いています。ご自愛ください。明日はまた違うテーマで進めます。

心が楽になり、前向きな人生を送るためのカウンセリング

カウンセリングや心理療法に行く、そこに何かハードルを感じて「占い」に足を運ぶ人もいます。

私たち心理士が行う支援はどのようなものか、皆さんに分かってもらえる努力が足りないのでしょう。

ある団体で、職員全員とお会いする機会があるときに、問題があるとかないとかに関わらず、自分の性格とストレス時の心の動きについて話し合うことがあります。気持ちを調整するための”心の筋肉”を鍛える方法を共有するためです。

ある方はおっしゃってくださいました。

「何回も相談に来ました。決して安くはなかったけど、人生が変わったので、大学に行くよりはるかに良かった」

少しはお世辞もあったかもしれないけれども、本当にその方の生き方が変わっていくのを目の前で見させて頂き、私の心も震えるぐらい感動しました。

私たちは、一生懸命にクライエントさん(面談に来られた方)の話の全てに耳を傾け、ひたすら聴き、何がおこっていて、どうすればよいのかを一緒に考えます。

ただただ、皆さんの心を整えるために、ベストを尽くそうと学び続けています。

こんなことでも良いのかな、という場合には、お問い合わせフォームからご相談ください。

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