近年の神経性理科学の発展により、トラウマのアプローチは10年前と随分と変化したようです。
ポージェスのポリヴェーガル理論は、まさにその神経系、特に自律神経の働きを明らかにしているようである。
そのような理論を土台に、ピーター・ラヴィーン博士のソマティック・エクスペリエンシング🄬やパット・オグデン博士のセンサリーモーター・サイコセラピーなど、新しいアプローチが開発されている。素晴らしいアプローチである。
トラウマに対する認知行動療法では、NCNP(国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター:つまり日本の認知行動療法の基本研究機関)を中心に認知処理療法が広がりを見せるが、筆者はある頃からボトムアップ・アプローチを重視している。実際に、認知行動療法の介入方法としてのトップダウン・アプローチだけではなく、感覚などへのアプローチから始めるボトムアップ・アプローチが大切であるという指摘が強くなってきている。優れた治療者は、トップダウンと言いながらも、その存在と関係性の作り方のプロセスにおいて、深い安心感を提供するため、それ自体がボトムアップ的な支援に繋がるのであろう。
日本では、身体へのアプローチとして動作法なども開発されているが、それもこの取り組みに組み込めるところが大きいと感じている。やはり、人は理屈ではなく感覚で動く動物ですね。