心理雑感

『メタモルフォシス』羽田圭介著

メタモルフォシス

 メタモルフォーシス、メタモルフォシス(ギリシア語: μεταμόρφωσις, metamórphōsis; 英語: metamorphosis)は変形、変身の意。 ドイツ語のメタモルフォーゼ(Metamorphose)と同義語。(Wikipediaより)

 頭の中で、映画『トランスフォーマー』が浮かんでいた。ちょっと違うな…。

SMの世界

 羽田圭介の本は初めて読みました。
 『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞を取ったときにも手を出さなかったけど…。
 理由は簡単、このコロナでテレビを見ることが少し増え、その中ではまったのがテレビ東京の『ローカルバスの旅』。個人的には、太川陽介・蛭子能収のペアが好きなのだけれども、そのあとの後継の『ローカルバスの旅Z』で田中要次と組んでいて、この生意気そうなお兄さんは何をしているんだ、ということで手を出した。

 本編の1/3ぐらいを読んだところで、少し飽きが来たのだけれども、最後まで読んだ読後感としては、面白い、でした。

 SMの世界について、少し耳にして勉強をしたぐらいで、詳しくはわからないのだけれども、一つの世界を突き抜けた文章で表現されている、人が生きる・死ぬ、狂気やそれに陥っていくプロセスなど、感覚を見事に描いている。
 ただ、好き嫌いははっきりしそうですね。

サディスティック・パーソナリティ

 実は、今は削除されてしまっているが、サディスティック・パーソナリティ障害という診断名はアメリカ精神医学会による『精神障害の診断と統計マニュアル』第3版改定版(DSM-III-R)の付録に収録されていたのだ。

 サディズムは、苦痛や不快をこうむる他者を見ることが快楽となる特性です。
 サディスティック・パーソナリティ障害を持つ人々は繰り返される残酷行為と攻撃を示すとされており、感情的残酷さの行使、恐怖の活用を通しての他人に対する意図的な操作、暴力への没頭も選択する傾向が高いのです。

 実際に、暴力的であるというよりも、攻撃的な社会的なふるまいをすることで、他者に対して優越的立場に立つことを大切にする人たちでもあります。
 ナンシー・マックウィリアムズが書いた『パーソナリティ障害の診断と治療』というとても優れた本があるのですが、その中にも解説されていますね。

マゾキスティック・パーソナリティ

 これも上述のサディスティック・パーソナリティと同様に、DSM-3-Rの付録に載っていたものの、DSM-Ⅳでは削除されてしまっているものです。
 自己敗北性パーソナリティとも呼ばれています。

 過去の経験がいかに人を作りあげていくのか、診断名はなくなっても、「しばしば楽しい体験を避けたり途中でやめたりし、自分が苦しむような立場や人間関係にひきこまれ、他者が自分を助けられないようにする(診断基準の一部)」人たちについて、臨床に携わっている人たちには違和感がなく理解されるでしょう。

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右の画像、どこにあるか見つけられるでしょうか(笑)

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