心の傷と記憶
過去に傷ついたこと、思い出したくないこと、そんな記憶を封印してなかったことにしたい記憶を持つ方もいるでしょう。
実際に、余りにも心に負担が大きい記憶は、記憶自体が抑圧され、思い出せないようになったり、その記憶に触れそうになると解離して、つまり平常ではない状態になることで、自分を守るという自動的な防衛機能が働く場合もあります。
誰もが、傷つき体験を持ちます。それは、自然なことであり、どんな傷からも守ろうとし過ぎて過保護になることは、ダメージから回復する力を奪ってしまいます。適度な負荷がかかり、そしてその不可から回復する、というのは成長の過程で必要なことなのです。ただ、その傷つき体験が大きすぎると、耐えられなくなってしまい、上述のように、記憶を抑え込もうとする、そんなシステムが動くのです。
封印された過去を紐解く
『自分をもっと好きになるノート』(玉井仁著 2019年4月)では、自分の成育歴にそって過去を見直すステップを示しています。封印された過去は、大人になった自分に様々な形で影響を及ぼしてしまいます。そして、心の深いところにある自分に対する否定的な体の感じを維持し続けます。
その本では、過去の子供時代の自分自身に対して、どのように関わっていくのかを伝えています。
封印している過去の自分を紐解くことは、時に大きなエネルギーを費やします。思い出そうとするだけで、心が締め付けられるような、心臓がわしづかみにされるような感覚を持つ人もいるでしょう。満たされなさや、感情の不安定さ、という形で体験している人もいます。
専門家の助けを貰いながら進めることが必要になるような、大きな傷を背負っている人もいるでしょう。そんな大きな傷を負ったつもりはないのに、そんな感覚がある、という人もいます。
過去を癒すことで、トータルな自己を手に入れる
過去の傷を紐解く、そんな一度嫌な気持ちを体験するためには、もちろん安全が最優先です。最初に書いたように、耐えられる分だけ、そして自分を守る安全感を高める作業が十分に行われていないと、このワークが進められませんから。
過去の苦しみや被害を肯定する必要はないのです。過去の失敗を良かったこととして受け入れないといけない、ということでもありません。
過去の心の傷を癒すことで、自分のことを守ろうとしてきた健全な自分を取り戻すのです。傷ついた部分は、成長せずに、傷ついた時のままに残ってしまっているのです。感情的になる時、人が子供っぽくなるのはそれが原因でもあります。
今月、2019年11月25日の月曜日夜、2回目のインナーチャイルドのミニワークショップを行います。前回は、成育過程との関係を振り返りました。前回参加ができなかった方も大丈夫です。
今回は、過去に負けないユーモラスで力強い自分を獲得するためのステップを共有していきたいと思っています。皆さんと一緒に良い時間を過ごせることを楽しみにしています。
ホームページ、ミニワークショップのページもご覧いただけると嬉しいです。
過去のブログでも、インナーチャイルドについても触れています。ご確認ください。